自平成十七年九月十五日第二千四百一号
至平成十七年十月二十日第二千四百三十号
発見。彼の天才が語っているのです。お読みになった方はいらっしゃ
いますか。
土日の学会は細かい話ばっかりで（テキスト校訂に際してコンマを打つかピリオドを打つか、とか）ぐったり疲れたけどとても勉強になりました。道産子ラティニストとお友達（？）になれたし。で、その道産子ラティニストが「研究室にお土産」と御持ち下さったのが「サッポロビールキャラメル」と「ジンギスカンキャラメル」。何が驚いたと言って、前日函館で買ったのと全く同じセレクションであった事。それを昨日人に渡したら大変嫌そうな顔をしてました。やったー大成功！
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伝アリストテレース『アテーナイ人の国制』第二十九章第三節、西
紀前四百十一年のアテーナイが民主制を廃し、四百人政権樹立に大
きく傾く転機を述べる件。
kleitophÔn dè tà mèn álla katháper pYthódOros eîpen, prosana-
zEtÊsai dè toùs hairethéntas égrapsen toùs patríous nómous hoùs
kleisthénEs éthEken hóte kathístE tÈn dEmokratíAn, hópOs <an>
akoúsantes kaì toútOn bouleúsOntai tò áriston, hOs ou dEmotikÈn
allà paraplEsíAn oûsan tÈn kleisthénous polIteíAn tÊi sólOnos.
異読なし。
村川堅太郎訳『アリストテレス アテナイ人の国制』（岩波文庫、
青六〇四-七、千九百八十年）該当箇所。
「クレイトポンは他の点についてはピュトドロスの案に同意したが、
ただ選ばれた人々はクレイステネスが民主政治をたてた時に定めた
古い法律をも調査し、これを参照しつつ最上の案を練るようにと動
議した。けだし彼はクレイステネスの国制は真に民主的ではなく、
ソロンの国制に近似するものと考えたのであった」
「けだし彼は云々」で強調表示した箇所は誤解を招く上、行文の晦
渋ならしめる。
クレイトポーンの意図するところは、村川氏に所謂「真に民主的な」
国制よりも、ソローンの国制に近いクレイステネースの国制の方が
より好ましいものであり、国制改革もまた、クレイステネースの仕
置きを鑑に行うべきである、というものである。「真に民主的」な
どという訳語を採用すると、恰もクレイトポーンの真意がその逆で
あるかの如き印象を与え、従って文脈を遮断し、読解に晦渋を来す
のである。
デーモティケーという形容詞に惑わされたか、氏の訳筆は滑ってい
る。他にも同様の過ちを犯した箇所がある。民主主義に過剰反応せ
ざるを得なかった時代の徒花と言うべきであろう。
ヤボ用で函館にいます。久々に朝市食堂でハラス定食うまかった。川越で発見された人体の肉片に関するニュース見ながら食べるのも妙。ダイアナの事故の速報を見たのも同じ食堂でハラス定食を食べている最中でした。そして最近流行っているらしい岩盤浴を初体験。普通のサウナより楽で良いかも。ではおやすみなさい。
うっかり『えの素』第五巻の縁にカレー染みを……。そのほんのり
とした黄色が内容と相俟ってうーむ。『いい旅夢気分！スペシャル』
を見ながら、流れをぶった斬る書き込みをするのをお許し下さい。
レスは改めて。
私のところに出会い系メールって来たことありません。
そうかぁ、だから私に彼女が出来ないのか。
それはともかく千葉ローカルな話を。
JR津田沼駅構内に針鼠氏行きつけ（？）の回転寿司屋があります。
味は回転寿司の味です。マグロなんかもうなんつーかすごいです。
でも今が旬の秋刀魚だけは脂がのって美味。１カン126円。
駅構内なので、遠方からでも電車賃不要です。よろしければどぞ。
昨日、西洋古典学研究室で行われた集まりの後の飲み会で、Cartledgeの
テルモピュライ話の一部はBBCのHPでも聴けると言ってしまいましたが、
ちょっと勘違いしていたようです。申し訳ありませんでした。
こちらをご覧下さればわかるように、別の人たちの対談でした。
下記のメイルは結構人気のあるものらしく、方々で取り上げられて
います。但し、検索結果の中には発信者の網站も紛れているようで
すから、迂闊に覘くのは危険です。不佞は一箇所踏んでしまいまし
た。さ、次はどんな名文を拝読させて差し上げるのだろう。
「メールをご拝読頂き、有難う御座いました。先日におきまして当
番組の新規オープン招待は全て終了とさせて頂きます」という文面
で出会い系サイトから御招待。「おメール届かれましたでしょうか」
なんて言うのもあったっけな。
段ボール山積みとはいえ、引越もおおよそ落ち着いて、今週から
リハビリです。
新居は葛飾区金町で、柴又や水元公園が徒歩圏内にあります。引
越の手伝いに来た両親を連れ、帝釈天と水元公園を歩いてきまし
た。京成柴又駅からのびる参道を、寅さんを全面に打ち出した団
子屋の呼び込みを耳にしながら、帝釈天へと向かいました。境内
奥、昭和初期の名人によるという、見る者を圧倒せんばかりの彫
刻ギャラリーを見物し、更に奥の庭園を眺めた後、小学校の子供
たちが黄色い歓声を上げて駆け回っている江戸川河川敷を歩いて、
駅へいったん戻り、昼食をとりました。昼食後、しばられ地蔵で
有名な南蔵院をお参りして、水元公園へ。季節柄、色とりどりの
花々に彩られ、というわけにはいきませんでしたが、広々として
気持ちのよい緑の広がる、心地よい公園でした。さすがにいささ
か歩き疲れ、売店で買ったゴマソフトクリームを食べて帰途に着
きました。
府中のサントリービール工場といえば、松任谷由実のチュウオーフ
リーウェーにも歌われた名所です。一年に一度、一般に工場を開放
し、見学や飲み放題を催すことで有名です（飲み放題は昭和五十年
現在の脳内情報）。両親に連れられて、缶麦酒や瓶麦酒が凄まじい
勢いで転がる工場内の様子に目を丸くし、しもんまさとのステージ
で「およげたいやきくん」を聴き、これに気をよくして両親にねだっ
てスライムを買って貰ったのもこの工場でした。肝心のスライムは、
何だか油染みた胡瓜の臭いがしてすぐに飽きてしまいました。何で
あんな物が欲しかったのだろう。
先程近所のいなげやに行ったら、麦酒売り場に「府中の工場で醸造
し、世界一等を獲りました」という惹句でサントリー・プレミアム・
モルツという麦酒が目に飛び込んできました。惹句にやられ、懐か
しさと、工場が近所という親しみから、ついフラフラと買い込んで
呑んでみたら、果物のような香りが鼻腔に広がって、なかなかの美
味。これならばイタリア料理にも合うんじゃないかと思った次第で
す。ステラアルトワに近い系統の味、と言えばお判り戴けましょう
か。
麦酒といえば、イスタンブルで遊んでいた時に「勘定書（ビル）を
呉れって、トルコ語でなんて言うの」と宿屋の番頭に尋ねたら「麦
酒を呉れ」というトルコ語をメモ用紙に書き付けてくれて困りまし
た。そいつを使って、そばの乾物屋に行き、エフェス麦酒というト
ルコ麦酒を買って呑んだら、意外に美味くて感心。イスラム圏で異
な事です。
仕事を抱えているのに、上機嫌に酔ってしまい、困ったな。
吃驚しました。色々な意味でなんと言うか、この。で、そのダラム
サラです。富良野ですなあ。
今日は朝から近所の小学校で運動会。民謡踊りをやるらしく、練習
時に興奮した婦人教諭の絶叫号令と（マスゲームとは人をおかしく
するのであろうか。というか、教諭にはマスゲーム好きが多いのか）、
スピーカーから流れる琉球民謡（なんで武蔵野で沖縄芸能をやるの
か）、よさこいソーラン節（なんで武蔵野で北海道芸能の亜流をや
るのか）、スターウォーズのテーマソング（は民謡と関係ないのだ
ろうが）に血湧き肉躍らしめられたる日々とは御別れである。
武州の民謡も教えてやればいいのに、と思う昔者の不佞です。ソー
ラン節も正調のものを伝授してやればいいのに。ま、児童は元気に
鬨の声を挙げています。頑張れー
謨磐堂進士、よう御越し。御無沙汰しています。
−四月十一日、進士−
scripsisti> ニシタップペトツルヤポンヌプリって北海道のどのへ
scripsisti> んでしたっけ？
忘れてしまいました。大雪山のどこかではありませんでしたっけ。
それとも道東のどこかだったかな。
若かりし頃、貧民窟のような大学の寮で酒盛りをし、狂ったように
「ニシタップペトツルヤポンヌプリ」を連呼していたのが、まるで
夢のようです。儚い夢のように、しかし不佞ども二人の脳裏には鮮
明に刻まれた「ニシタップペトツルヤポンヌプリ」は、それだけで
十分なリアリティを持っていると言えましょう。……暇を見て探し
ておきます、所在。
scripsisti> トラベル・ライター……氏のように、……失笑を買う
scripsisti> という事態にもなりかねませんので（笑）、まあこの
scripsisti> 種の「日本人の常識論」はほどほどに楽しむのが無難
scripsisti> でせうね。
所謂常識を敢えて知らぬふりをする韜晦も芸の内というか、確信犯
だったりはしませんか。それはそれでまた愉し、という感じもしま
すよ。韜晦ではなく天然である場合、それはそれで好もしい（笑）。
猫も杓子もトラベルライターの昨今、網上網外に溢れる紀行文には
正直食傷気味で、開けてみようという気力もすっかり萎え果ててい
ます。旅行の際には参考になるのでしょうが、実用に凭れ懸からぬ
作品に乏しい現状では、なかなかどうして、食指も動きません。一
昔前に己が書き散らした旅行記に幻滅したという事情も手伝ってい
ます。一筆箋上で皆さんの旅日記を拝読するのが唯一の慰めと言っ
ても過言ではありません。
だからこそでしょうか、優れた紀行文に飢えています。生来旅を好
むだけに、飢えは一層深刻です。出版界、網上空間で追々淘汰され
て行くのを待ちましょうか。待ちきれなくなったら、大昔に実用的
な価値を喪った文章を渉猟するのも乙であろうと思います。
進士には御愛読の紀行文、トラベルライターはおありですか。とっ
ておきをお持ちでしたら、是非御教示下さい。
中共支配下の新疆を独立に導こうと画策する東トルキスタン解放組
織が、ついに武装闘争を宣言してしまいました（漢語版BBC）。気
懸りです。
最近の（元）官製端書は再生紙を使っているからなのか、牛乳パッ
クを開いて熨して、その上に文字を書いているような嫌な滑り方を
する。
万年筆を使うと覿面である。ボールペンで書けという腹なのだろう
か。油性、水性、ゲルインキ、どれもこれも褪色するから、使わな
い。筆墨にもよく馴染んだ二十円端書の時分が懐かしい。
筆が滑るとろくなことがない。悶着の種になる。腱鞘炎の引き金に
もなる。四六時中、余計な緊張を強いることになるからだ。
たった千字の文章を書き倦ね、アウトラインから文章を書き起こす
のが不得手であることを痛感する。
一篇の要目を書き並べ、それを一筆書きに綴り合わせ、齟齬なく、
飛躍なく仕上げるために、先の先まで措辞を考え、要らぬ気苦労を
するせいである。筆に任せて書き下ろす方が性に合っているらしい。
加之、アウトラインとして抽象した論理が緩く、後から筆で追うと
襤褸が出る。「これは取り敢えずのアウトラインだから」と油断し
て出鱈目を書き連ねてしまうせいであろう。
アウトラインを仕上げれば、その結構の美麗（？）に酔い、慢心も
生じる。手書きの時代には、見るからに駄文でウンザリしたような
作も、ワープロの到来で活字になると頗る立派に感じたものである。
アウトラインにもその罠が潜んでいる。己を厳しく律せずして、論
理の結構の緩み、歪みは見出せまい。恭謙己ヲ持シとは教育勅語の
一節である。明治の上諭が電算化の平成の御代に重い。
随筆とは名ばかりの駄文を綴れば一瀉千里である。余勢を駆って、
実のある論説を物したい。長大なものになれば、自ずからアウトラ
インめいた手法の助けを藉りずにはいられない。書き下ろしとアウ
トラインとの間で、慢心を戒め、筆勢を殺がず、恭謙己を持するよ
うに懋めたい。
先日電車に乗ったら大丸デパートの北海道物産展の広告が眼に留まり、中でも握り鮨の写真が燦然
と光輝いているんだけど、よく見ればその名称は「多喜二にぎり」。小樽の「多喜二」という寿司
屋さんが出店しているらしい。一気に寿司熱が冷める。そういえば知人が北海道を旅行中、蟹料理
屋の広告に「蟹の贅沢 蟹工船」というのを目撃して感動したと言っていたのを思い出す（店の名
前が「蟹工船」だったらしいです…。今探したら、同名の蟹専門店が東京にもある模様）。いくら
何でも小林多喜二が可哀想だ。っていうか、蟹工船風の趣向を凝らした内装だったりしたらどうし
ましょう。いや、行かないから別にいいんですが。ちなみに「多喜二にぎり」には蟹は入ってませ
んでした。
大学に出て、牛津大学から来朝したローマ史学者の講義を聞く。先
日久振りに本郷に行き、研究室の前でこの仁にバッタリと遭遇し、
ついその場の雰囲気で「御講義に御邪魔しますから」と口を滑らせ
たのが運の尽きと諦め、メイルで回ってきた報告原稿を下読みして
臨む。
未知の地域の未知の分野を扱ったものである。質疑応答を含め、講
義は百八十分に限られ、そのため一見概説風の文章に籠もる含蓄は
深厚であり、下読みにも手間取った。
報告が終わり、質疑応答に移る前の中休み、学部の頃に世話になっ
たギリシア史の泰斗が、態々隣の席にやって来て呉れる。近況報告
旁々、互いに雑談を交わす。不佞の境涯に同情を寄せているようだ。
師とは有難いものである。
研究会に出ていれば、顔を憶えてくれる人もあるだろうし、顔を忘
れる人も減るだろう、これまではオンラインで閲覧できた学術雑誌
も、先般その資格を喪い、今後は否が応でも大学に来て、コピーを
取ることになる、外気を吸う機会にもなると応じる。ギリシア史家
翁もそれが何よりだと肯う。
「それに、偶に外出すると脳にもよい刺戟になります。家に引き籠
もってばかりいると、帰朝で頭が惚けたところへ来て、さらにまた
ボンヤリしてしまいます。御覧下さい」
と言って、手許に置いた牛津大学教授の報告原稿を示す。翁は一瞬
ぎょっとする。周囲で我々の遣り取りを横目に窺っていた研究者達
の会話も止む。
「今日はヴィンドランダ出土文書の御話を伺うと知っていながら、
ヘレニズム時代からローマ帝政期にかけてのエジプトを扱った別の
原稿を印刷して読んできたくらいですから、ボンヤリも相当なもの
ですよ」
翁は我に返って笑った。講義の内容に満足していた不佞も、翁に釣
られて笑う。苦笑は軈て朗笑となった。
神の声が聞こえたような気がしたので「研究室」を覗いたら真っ黒に日焼したのっぼさん発見！
シチリア焼け、いいなあ。お元気そうで何よりです。お引越がスムーズに行くといいですね。
＊実際には、のっぼさんの書き込みを発見した元夏迪さんに携帯で遠隔操作されました。
研究室に来ています。助手さん嘱託さん以外は知っている人もいませんね。
週末には帰郷して、出来れば今月中にも上京したいところです。
今度の部屋は遠めになりそうです。
後藤田翁の逝去を聞き、淋しい限りである。御冥福を。
Cambridge Evening Newsがいつの間にかrss feedsを提供していました。全文はサイト
に行かないと読めませんが、でも嬉しい。これでケンブリッジのゴシップを東京でも追う
事ができます。もう安心。お掃除お姉さんのサーシャの詳細だけどどこまで本当か判らな
い注釈がないのが残念。
今日読んだのは、ケバブスタンドの廃油（ポテトフライ用）をガソリンの代替品として活
用している青年の記事。
XHTML 1.0 Strict形式に移行しました。CSS形式のスタイルシート
を読み込んでレンダリング（整形、表示）を行うために、この機能
が不十分なネットスケープ・コミュニケイターでは、醜悪な画面と
なります。気になる場合には、ブラウザ側の設定を変更し、スタイ
ルシートの読み込みを停止して下さい。
インターネットエクスプローラー（マッキントッシュ版OS9, OSX）
でも表示に異常が見られます。複数のスタイルシートを管理できず
に起こる現象です。諸般の事情に鑑み、これに対する手当は行いま
せん。
右の異常表示は、いずれも閲覧には差し支えありません。
〆鯖のお寿司本当に美味しそうですね！火を通した鯖はクリアしましたが、〆鯖はまだちょっ
と怖いので我慢してます。しかし。池袋のお店、是非行ってみたいです。棒寿司一本丸ごと食
べてしまいそうで怖い…。
実は私が好きなのは、鯖寿司というよりは厳密にはバッテラなのですが、それは子供の時分に
大阪でよく食べたからで、父が飲んだ帰りにお土産と称して買ってきてくれるのがすごく好き
で（有名店だったらしい）、更に厳密を期せば、特にバッテラの具の部分をはがしてご飯だけ
食べるのが好きでした（笑）。一応、子供心に父に悪いような気がして、そんな素振りは見せ
ないようにしてましたが。ご飯だけだったらもっといいのになーと思ったものですが、今にし
て考えるに単なる寿司飯ではやっぱり駄目で、鯖と昆布の風味のする型押しした寿司飯、が好
物だったのです。今は具も好きです（笑）。棒寿司でも焼き鯖寿司でも何でも大歓迎！
昨日、学生時代の後輩らと、池袋に飲みに行きました。
日本酒飲みに有名なお店で、初めていってきました。
そこの売りの一つが〆鯖で、「まずかったらお代は要りません」と
まで、宣言。無論、私はパスしましたが、後輩は旨いといってました。
http://r.gnavi.co.jp/g909200/
ご参考までに。
のっぽさんが、落ち着いたら、こういうお店で一席設けるのも
いいんじゃないかなと思ったり。
あ、お酒は、めちゃ旨くて、とろけました。
のっぼさん、よう御越し。長の御滞英、御疲れ様でした。
エウテューナ（公職者執務報告制度）に就き、ローズ説を御紹介戴
きました。有難うございます。
−八月一日、のっぼさん−
scripsisti> しばしば散見される「何でもアテネのものはDemocratic」
scripsisti> という研究は如何かがなものか、ということのようです。
我が意を得た思いです。先日倫敦でローズ教授が評語を口になさっ
た際に「デモクラチック・トラップ（民主政概念に淫する危険）」
という事を仰っていました。今回の御研究はこれを肉付けするもの
なのでしょう。
難を言えば、
scripsisti> 「何でもアテネのものはDemocratic」
にも罠が潜んでいるということでしょうか。
このデモクラチックの一語には古代アテーナイで発展したデーモク
ラティアーを称する（実は寡頭政的な要素を色濃く滲ませる）政体
と、現代民主主義という古今の両義が罩っており、さらに言えば、
現代のデモクラチックという英語形容詞に就いても、大西洋を挟ん
で連合王国、アメリカ合衆国とでは含意が異なります。右に引くロー
ズ教授の言にはデモクラチックに褒義を与え、或いは読者聴衆に褒
義を読み取るように導き、結果としてさらでだに曖昧な英語のデモ
クラチックという概念に一層の混乱を齎しかねません。そこに教授
が警鐘を鳴らして倦むことを知らない、デモクラチック・トラップ
の恐ろしさを見、また彼岸の古典学が抱える構造的な問題を垣間見
る次第です。
scripsisti> Rhodesの報告原稿によりますと、アテーナイ、あるい
scripsisti> は民主政ポリスに限らず、公職者の職務不履行に対す
scripsisti> る処罰規定が存在している
原稿を拝見せずに申せば、ここはおかしい。公職者に対する罰則規
定が問題なのではなく（そのような制度はどこにでも見られますし、
ギリシアの個性として論じる意味もないと考えます）、職務の執行
態度の如何に関わらず、全員が在職中の行実を提出し、審理を受け、
さらに弾劾をも募るという一連の手続きを以て執務報告審査（エウ
テューナ）と称するのですから。教授としては、悪いことをした役
人を処罰する例を各地域に捜すのではなく、悪いことをしていない
役人も、任期明けに査察を受ける例を並べるべきだったのではない
でしょうか。
scripsisti> ヘレニズム期にも公職者のAccountingを示す碑文がし
scripsisti> ばしば認められ（Buck36、Syll(3)495.169-72、SEG9.1
scripsisti> などなど）
手許のバック氏の書物を捲ってみたのですけれども、方言碑文例第
三十六番は西紀前三世紀、パルサーロス市で同盟市の市民で勇戦し
た兵に市民権を付与するといった内容でした。ひょっとして教授の
タイポかなと思い、第二十六番を捜そうとしたら、ない。二百十三
頁の裏が二百十六頁になっていました……。他の碑文は、地域が判
らないので、機械上で読めず（検索できず）、排印本もありません
から、まだ確認していません。
キーさん
この前の蕁麻疹騒動は、安かろう悪かろう系の店だったので、〆鯖が傷んでたのだと
思います。鯖が傷みやすいのを忘れてたのです。もう二度と行かない！
民主新代表に前原氏＝きん差で菅氏破る―43歳世代交代進む、「挙
党体制」強調（時事通信）
「きん差」って一体……。
夏迪という人が活躍している。