自平成十五年十二月七日第一千四百七十一号
至平成十五年十二月十四日第一千五百号
仕事の前に寝台ソファを中心に部屋の掃除。ブリテン島のアイデア
商品の寝台ソファ、薄汚れた絨毯の上をポンコツ掃除機(一応サン
ヨー)にハボキを装着して掃除をしていると、不潔なアングロサク
ソンと家主に対する憎悪の念を新たにします(苦笑)。水回りを片
付ける愚妻さんはどうだろう。
民度という言葉は既に本朝では死語でしょうか。学校で嘘をつく練
習をするという国にいると、まだまだこの言葉の持つ役割は大きい
と痛感せざるを得ません。
晴れました。
昨夜は親子丼を食し、今朝はその鶏の骨でとった出汁で雑炊。愚妻
さん、御馳走さん。
左ききのコジカさん、よう御越し。ヒントが全然判らない……。頭
が硬いんでしょうかね、不佞ゃ。でもぽんわか荘は結構好きです。
激しい対立の火花が散りますね(笑)。
アッシャーの本、初版本を学部で使い、今は手許に二刷のペーパー
バックを持っていますが、特におかしなところはありませんでした
よ。聞けばギリシア語以外の史料引証記号番号にタイポが多いとか。
これも二刷で訂正されている筈ですけど。
オックスフォード版のエウリーピデース全集が乱丁で往生したこと
があります。『アンドロマケー』か何かが途中で終わり、次の丁か
らまた一頁に逆戻り。巻末はやはり『アンドロマケー』の途中。道
理で分厚い筈だーと思いつつ、購入先のオックスフォードはブラッ
クウェル書店にメイルで怒鳴り込んだら、大慌てで新品を送ってく
れました。全額無料、しかも乱丁本はそのままお持ち下さい、御返
送には及びません、て。渡英する数年前の拙い英語でよくやったも
のです。何をどう書いたかは憶えていないのですが、相当スゲー事
を書いてしまったのだろうなあ、と思い出す度に冷や汗ですよ。コ
ジカさんもオックスフォード大学出版局に直接渡りを付けてみては。
今日は朝から独語でゲーエン。今晩から御客です。
どうも。コジカです。ばっくれている間に話が進んでますね。
ツーといえばカーのごとく、管理人さんと言えば、きょ・・さんが
当たり前だと思っていましたが(アホ)、そうでもないようで。
鷺江人さま、レスありがとうございました。はじめピンとこなくて、
ゴー氏の「この中」をなまじっか見たもんだから、さらに混乱しましたが、
山に籠もっている間に閃きました。しかし、推理が当たっていれば、
約三十分館になりませんか?
まぁ、ゴー氏も分かったようだし(「空き室あります」は好きじゃないです)、
愚妻さん分かってないみたいだけど、まぁいいかー。 (耳を澄ます)
声ならぬ声が聞こえてくるようなので、ヒント。
四谷、飯田橋と言えば、・・・SOSですが、
では、三鷹、四谷、六本木と言えば?
いやもうこれ以上はおじさんの口からはとても。
Sickingerの文字化けについてはまだかわいいものです。
許せないのは、Usher, Greek Oratory, Oxford, 1999 です。
すごいですよー。三百ページを越す大部の書の全ページの脚注わたり
ギリシア文字の引用箇所が、ギリシア文字のミューとパイとカンマ以外
「すべて空白」なのです。これは何かの暗号なのかと目をぱちくりしました。
購入元の某書店を通し、国内のOxford代理店に問い合わせさせても
何もなし。えらい迷著です。 では。
随分と長いこと手許にあった原稿を一本、漸く発送。朝から素読み
などして、閉鎖が取り沙汰されているビクトリア通り郵便局に出掛
けたら半日潰れてしまった。他にも網站周りの手入れをしたら、真
夜中である。独語はこれからだ。
雜談室にログイン後に入室なさる場合には(ややこしい)、必ず御
名前(ハンドル)を御記入下さい。ここを空欄にすると、IPアドレ
スが名前になってしまいます。
試運転です。ID, PWが必要です。それぞれ、
○一筆箋の番地で五文字のアルファベット
○一筆箋の番地で四桁の数字
です。御暇な方はお試し下さい。
左ききのコジカさん、よう御越し。
scripsisti> じつは、いじめて(いじって)とかだったりしなくも
scripsisti> なくなくなくないような?
判っていますぞよ。うふふ。
scripsisti> 注釈ページの特定のギリシア文字(アクセントと気息
scripsisti> 記号の複合したやつ)が文字化けしており
この正誤表は凄いですよね。しかも誤字脱字などではなくて、露骨
に文字化けですから、呆れる他はありません。ワープロを過信した
弊害です。一部だけ文字化け、という辺り、ワードじゃないかと睨
んでいるのですが、如何でしょう。
scripsisti> 霧の街って結構あこがれがあるのだが、そんなにいい
scripsisti> もんでもないのかしらねぇ。
どうでしょうか。呼吸器系に悪そうな気がしますけど。実際、ナポ
リに行って体調がよくなったり、昔からこの辺りの人々が矢鱈と転
地ということに拘っていたりするのを見ると、やっぱり問題が多い
のではありませんかね。不佞は週に一度、モヤモヤの中を歩いたら
もう沢山です(苦笑)。
scripsisti> 管理人さんの「きょ・・」については、誰か、多分きっ
scripsisti> とぷちさん?あたりが教えてくれるでしょう(言い出
scripsisti> しっぺ、ばっくれ)。
先日東京でお目にかかった際、ぷちさんは御多忙で一筆箋を御覧に
なっていないような事を仰っていましたから、ばっくれはききませ
んよ。さあ言った言った。なんて「いじって」みてもいいですか。
のっぼさん、よう御越し。
scripsisti> 今週は酷く雑用に追われて、家でも雑用のためにキー
scripsisti> ボードをたたく日々でした。
お疲れ様です。言っても詮無きことかも知れませんが、呉々も御無
理はなさいませんように。
scripsisti> 「湯たんぽ」です。
不佞もファンですよ。昔から愛用しています。電気あんかや、本物
のあんかも使いました。豆炭を入れるやつ。専ら和歌山に帰った時
に使いました。火鉢なんぞも現役でしたね。まだ体の小さかった時
分、陶器の火鉢に体を巻き付けると、ひんやりする部分と、矢鱈と
熱い部分とがあって。一寸した物が置けるような縁の広い火鉢は深
緑で、裃のようなシルエットに好感を懐いたものです。薪の五右衛
門風呂に井戸の清水……。贅沢な話です。
scripsisti> 「しばれ」ます。
お国言葉でしょうか。案外「しばれる」というのは広く使われてい
るのですね。
愚妻さん、よう御越し。
scripsisti> ……好き嫌いと定義は別物だと思う。
気にしないから大丈夫。
鷺江人さん、判っちゃいましたよ。
元旦のチャットに備えて点検をしたところ、ネスケ七では動作せず
(先日は問題なかったのに)、エクスプローラだと起動はするもの
の、文字コードがおかしい上に、ブラウザそのものを強制終了させ
てしまう体たらく。ネスケ四では試す気も起きない。旧ライコスと
インフォシークとの統合がうまく行っていないのか。ライコスのス
クリプトに見切りを付けて、新規の導入を検討中。一年に一度の事
だから、力も籠もる。
#凄いチャットだ……。
下宿系ですと「漫画道」はさておき、不佞個人の印象に残っている
のは「空き室あります」でありますが、萌え萌えではありません。
原稿の素読みが終わったので、不思議な時間の入浴にゴー助。
十五分館て一体……。この中に答があるのでしょうか。
コジカさんの書き込みで大体の検討はついていたのですが、鷺江人
さんの謎で一気に振りだしに(泣)。
横レスですが…。
……きょたい?
愚 妻:あ、今日はフィッシュアンドチップスの日なんじゃないの?
(←学食の献立表チェックを怠らない元夏迪から聞いていた)
元夏迪:いや、違うよ。今日はgoujons of plaice(キッパリ)。
愚 妻:でもそれってフィッシュアンドチップスなんじゃないの?
元夏迪:でも俺、それ嫌い。
……好き嫌いと定義は別物だと思う。
冷え性のくせして、暑がり。エアコンの熱に弱いコジカです。
のっぽさん、ここではお初。
お湯を沸かすのが面倒と言うことですが、確か、電子レンジでチン
するだけで湯たんぽになるようなものがあったと思います。繰り返し
使用も多分できたはず。布団にも持ち込めますね。ただ、思いきりふんじま
うと、やばそうだが。
ちょっと値のはるもので言うと、「かんたん床暖」というフローリング
調の1×2メートルぐらいのホットカーペットがありまして、これが
キャスター付の椅子でも使える優れもの。もうこれなしで冬は越せません。
管理人さんの「きょ・・」については、誰か、多分きっとぷちさん?あたりが
教えてくれるでしょう(言い出しっぺ、ばっくれ)。
ありますよ、湯たんぽ。hot water bottleと言いまして、日本よりもポピュラーなので
は。あちこちに売っていて、私も今年ついにゲット、魅惑の湯たんぽライフをエン
ジョイしています。最高ですよね。イギリスで売っているのは基本的にゴム製の袋状
のもので、弾力があって身体にフィットするのがミソです。それからカバーも結構充
実していて、シンプルな毛糸やフリースのものから、ぬいぐるみになっているもの、
フェイクファーのアニマル柄など色とりどり(私はただのバスタオルにくるんでます)。
イギリスのマツキヨ、Bootsで買いました。でもドイツ製。ただのワインの瓶にお湯を
入れてタオルでくるむのが最も古典的な方法なのだそうです。文字通りhot water bottle
ですね。240Vの電気薬缶で、お湯が沸くのもあっという間!ぬるくなったお湯で洗顔
できれば言うことないんですが、ゴムの臭いが移ってくさいのが、玉に瑕。
コジカさん、空港カレーがわかってもらえて、嬉しいです、有難う。ところで、
「きょ・・」ってなんですか。「キー」についてはまだまだ修行中です。
さすがに東京も冷え冷えとして来ました。
今週は酷く雑用に追われて、家でも雑用のためにキーボードをたたく日々でした。
深夜のそんな作業は手足の指先がきりりと「しばれ」ます。
そこで昨晩はいいことを思い付きました。
「湯たんぽ」です。
今年の春先、39度の熱が下がらずに独りで寝込んでいたとき、
心配した母親が上京して来て(その頃には幾分良くなっていたのですが)
どこからかプラスティック製の湯たんぽを買って来てくれたのです。
すっかり忘れていたのですが、昨晩ふと思い出し、
やかんで湯を沸かして、試して見たところ、
効果絶大です。
わけても、エアコンでの暖房のように眠くなることはありませんでしたし、
そのまま布団に入れて眠れるなんて、すてきじゃありませんか!
最大のネックは、湯を沸かす手間がかかる点です。
昔ながらのストーブでもあれば、その上にやかんをのせておいて、
なんてこともできるのでしょうけれど。
どこにでもありそうなものですが、
イギリスなんかにもあるのかしら?
どうも。管理人さん、暖かな歓迎の挨拶および留意点ありがとう
ございました。いじめないでねに深い意味はありません。じつは、
いじめて(いじって)とかだったりしなくもなくなくなくないような?
愚妻さんの食べ損ねリストですが、管理人氏の危惧(ウコン?)するまでもなく、
すでに食べれないものが。麻婆豆腐は辛いし、杏仁豆腐だけ頼めないし、
小籠包は、舌やけどするし。(いじめられてる?)
ただ、空港のまずいカレーには、結構わかるものがあります。
> (`′) (ター)キー
> ∬⊃⊂∬
くだらない・・が、笑ってしまった者の負けですな。
こういう力押しの駄洒落、嫌いじゃありません。
愚妻氏も、キーを我がものとしつつあるようで。
ゴー氏(管理人改め;だって、「管理人さん」といったらやっぱり、きょ・・)
Sickingerの本は、注釈ページの特定のギリシア文字(アクセントと気息記号の
複合したやつ)が文字化けしており、Errataが別刷りでついていましたが、
そんなことありませんか?
しかし、霧の街って結構あこがれがあるのだが、そんなにいいもんでもないのか
しらねぇ。
そのうち、写真の投稿もしますので、よろしうに。では。
六時に起床してしまいました。いや、八時間寝ているから、別に時
差呆けではないのかも知れません。起床早々簡単な事務を執り、のっ
ぼさんの作品を引き続き畫譜に上網しました。第三八九号、第三九
〇号の二点です。序でに網站の更新も行いました。何気ない剣橋の
街角を御覧下さい。
いやー矢張り霧は堪えました。さほど寒くないのでしょうが、あの
湿気で体感気温は随分と低かったに違いない。しかも汗だく。不健
康ですなー。ヤフー英吉利を見たら、本日当地の最高気温は五度、
最低気温は三度、十七時現在で一度というおかしな数字が並んでい
ます。天候は靄haze。確かに霧と呼ぶにはまだ淡いか(ゲンナリ)。
日本で歩いていた速度が抜けません。町中で独り、ビュービュー歩
き、どんどん人を追い抜いています。帰朝してからこのかた、体重
も減ってきています。同じ距離を歩くにしても、当地人士に傚って
ノソノソやっていたのが肥満の一因だったりして。気を付けねば。
明日学部に行こうと思っていたのですが、今日の方がよさそうな雲
行きになってきました。眠気覚ましに出掛けましょうか。
そういえば最近鷺江人さんがお見えになりませんね。謨磐堂進士か
が畫譜に御土産を下さったのですが……。
当地九日から十日にかけて、十四時間も眠り込んでしまったから、
今日十日は不寝番で午前零時まで頑張ります。昨夜というか、今朝
目が醒めたら午前零時。本当に吃驚しました。時差呆けもここに極
まれり、という感じ。これで呆け納めになりましょうか。
#ならないだろうなあ(苦笑)。
昨日は日本からアマゾン合衆国に発注した書籍が届きました。
Sickinger, J.P., Public Records and Archives in Classical
Athens. Chapel Hill/London: The University of North
Carolina Press, 1999
早く読みたくて堪りませんが、今の仕事が一段落せねば目を通せそ
うにありません。あーもどかしい。こんな感覚は数年ぶり。
先程ゴミ出しに出たら、濃霧が肺腑を湿らせて嫌な感じです。ヒヤッ
ジットリという感触。空は明るいから、もうじき消えるのでしょう
が。
眠気覚ましというわけではありませんが、まあよしなしごとであり
ました。
のっぼさん、写真の説明、有難うございました。また二齣追加しま
したので、御手透きの折に何かお書き戴けると幸いです。記事第三
七二号と第三七三号とです。この辺りは昨平成十四年に渡希なさっ
た際の作品ですね。
左ききのコジカさん、よう御越し。
scripsisti> 掲示板に初挑戦です。いじめないでね。
をを、それはまた。おめでとうございます(? めでたいのでしょ
うか)。いやどなたもいじめたりはなさらないと思いますよ。それ
に公開とは言い条、掲示板としては、割に外部からは遮断されてい
ますし、何かテーマを決めて、それを立ち入って議論するようなも
のではありませんから、いらっしゃる御客様も限られています。ど
うぞ御気軽に御越し下さい。ここの皆様と談笑なさるもよし、日頃
の思いを書き遺しておくもよし。不佞の独宰する板ですから(「独
宰する板ですが」と言うべきでしょうか)、管制についても御安心
下さい。
なお御覧のようにレスが遅れたり、前後したり、話題が行ったり来
たりする掲示板です。その点は御容赦願います。書き込みをして戴
く留意点として、消息にもその旨を記してありますから、御手透き
の折に御一読を。
#全然仰々しいものではないのですが。
scripsisti> 代わりに食べておきましょうか・・(`′) キー
scripsisti> ∬⊃⊂∬
あ、それはあまりにも危険ですよ。口に出来ないようなものがリス
トアップされたら、どうします。例えばウ(以下自粛)。
ピアノさん、よう御越し。愉しい日になったようですね。
scripsisti> ショパンを3曲ほど
それは喜ばれたでしょう。西洋音楽とは縁遠い不佞ですら(大東京
音頭のファン、但し三橋美智也版)、ピアノさんの演奏には感銘を
覚えたものです。また今度、是非拝聴したいものです。
scripsisti> さらには若い女性二人の人気を独占:2歳と4歳の娘
scripsisti> さんに気に入られ……一応、日本の自慢話に対抗した
scripsisti> つもり。。
はい、充分あてられました。御馳走様でした(笑)。
日本人団体といえば、帰剣早々十色会の研究報告を聴いてきました
よ。すっかり面子も入れ替わり、不佞どもが渡英した当時の方は、
ブ○さん他(多分一名)を残すのみとなりました。
愚妻さんの時差呆けはかなり深刻。十八時には夕飯を済ませて床に
入ってしまいました。今は四時。そろそろ起床するのではないか。
かく言う不佞も、身辺の片付けをしながらとはいえ、こんなに夜更
かしをしているのは時差呆けのせいかも知れません。いつもと同じ
生活時間だといえばそれまでなのですが。
この時間帯だと、夜間電力で湧かす風呂に入れます。何故か中間電
力の給湯装置が壊れていて、作動しません。どちらか一人が入浴す
ると、湯が足りなくなってしまいます。実際鍋やポットで湯を沸か
し、浴槽に注ぎ込むこともしばしば。深夜の零時十五分だか四十五
分だかを過ぎてしまえば、通電しますから、お湯もふんだんに使え
ます。というわけで、昨日今日と、不佞の入浴時間は一時頃。序で
に廉価な夜間電力だとヒーターを使うのも安心です。……何だかみ
みっちくなってきました。
七日日曜に出掛けた際の写真を上網しました。八ヶ月ぶりの更新で
す。今回は三枚にとどめましたが、今週暇を見て更新作業を続ける
予定です。併せて舊帙も更新しました。
短期の滞在中、伊豆熱川に小旅行を試み、函館に帰省し、秩父夜祭
の本祭にも顔を出しました。熱川、秩父の模様の一部は畫譜に掲載
してあります(記事第三七四号、第三七六号)。函館滞在中の動静
は、彼の地から書きましたし、愚妻さんも報じたところです。毎年
傾き具合を観察してきた、斜塔ならぬ斜屋が更地になっていたのに
は、強い衝撃を受けました。十字街は鳳来軒で啜る塩拉麺は、ここ
に特筆するに値する旨さでした。日頃美味い塩拉麺に巡り会えぬ不
幸を喞つ身に、これは至福の一時だったと言わねばなりません。
日本最古の角形コンクリート電柱を拝み、御洒落なテーマパーク風
を狙って見事に空振りをしている金森倉庫付近に土産を漁り、古書
然とした新書が山積みの栄文堂書店で掘り出し物に狂喜し、十字街
に出来たばかりのケーキ屋「プチ・ミルヴェーユ」で目にも愉しい
ケーキを買い込み、市電の走る広い道を歩いて徘徊するのもまた、
贅沢な時間と呼ぶ他はありません。その先に開けてくる漁港の潮風、
山上に聴く潮騒は、今も頬に耳に鮮明です。
幼少時に帰省といえば、和歌山で虚心に遊ぶことでした。長じた今
は和歌山に帰っても、墓参りやら身内の用事やらで、席が暖まる暇
がありません。武州の実家は余りにも東京に近く、帰省はしても用
務で都心に出歩きがちで、遠近の丘陵や湖に歩を散じることはなか
なかむつかしい。文字通り老親の許に帰って省(み)るばかりです。
そんな昨今、不佞にとって訪函する数日は、遠い昔に味わった帰省
の心持ちを呼び覚ますものになっています。往時の勤め人にとって
もまた、帰省は都会の塵外に逃れ、土の上に歩みつつ自然本然の姿
に帰る一時だったのではないでしょうか。都鄙の分化が進む中、移
住一世、二世の懐く「故郷」は廃れてつつあるようです(この間の
消息は成田龍一氏の作物に詳しい)。
また人との再会を果たす二週間でもありました。一筆箋に関わる人々
に限ってみても、化調老師、関口光信君、のっぼさん、針鼠さん、
左ききのコジカさん、ヒロチさん、ぷちさん、謨磐堂進士、まこと
さん、玲子@倫敦さんとお会いすることが叶いました。ある方は豪
奢な衣装に身を包み、ある方は仕事の手を休め、ある方は職場に向
かう道すがら、横断歩道の真ん中でこちらの姿を認めてシャウトな
さり(笑)、談笑の時間を割いて下さいました。一部の方と麦でだ
べったり、夕食を共にする僥倖にも恵まれました。ここで皆さんに
御礼を申し上げます。また愚妻さんも書いていますが、針鼠さんが
毎々離日のお見送りをして下さるのには、心底励まされる思いがし
ます。ここに記して御礼を申します。
お目にかかりたく思い、目を皿のようにして周囲を眺めてはみたも
のの、てっちゃんをお見かけする機会はついぞ訪れることなく、無
念の涙を飲んで、成田を発って参りました。……て、実は御姿をよ
く存じ上げないから、お見かけしたところで判らなかったかも。
喫茶店「麦」に入り浸り、懐かしい街を以前と同じ調子で足早に過
ぎり、電車に揺られ、雑用を片付け、合間合間に文字に目を遣る。
二週間ですっかり英国の垢(と英語)は落ち、本朝の風俗に染まり
掛かったところで帰剣した今、多少のリハビリを必要とするかも知
れません。実に慌ただしく、また愉しい帰朝でした。
「あれ御帰りになったんですか」。行きつけのカレー屋の暖簾を潜
る不佞の姿を凝視すること数秒、女将は草臥れ始めた中年(笑)に、
かつての紅顔の美少年(爆笑)の面影を認めたのでした。
麦のマスター○田さん、厨房に立つ筑紫徹也氏の(ちょっぴり)そっ
くりさんなども、目は疎か、顔まで露骨にニヤニヤしながら、不佞
の事を見遣ります。「こいつ随分と姿を見せなかった癖に、また入
り浸りだなあ」と思ったせいかどうかは判りませんが、不佞が一度
愚妻さんを帯同した折には、また格別のニヤリ、じゃなくて会心の
笑みを浮かべておりました。
不佞と愚妻さんにとり、麦は思い出深い場所なのですが、愚妻さん
はその故事をスッパリと忘れておりました。夫婦善哉でありますな
あ。吐瀉物の乾いたような香がほんのりと漂うのに気付き、ソワソ
ワしていたのかも知れません。或いは店員諸兄の格別のニヤリ、じゃ
なくて会心の笑みは、この香と何か関係があったのか。
不佞が足繁く通った麦に働いた女給とロンゲ君(男)は全て去り、
未知の御婦人が立ち働いておりました。そんな新旧の交代を眺めつ
つ、学校の教諭はこんな心持ちで年度を重ねているのであろうかと
思ってみたりもしました。仲間とこの店に通い詰め、硬軟取り混ぜ
た雑談に若い日を過ごした身の上に、改めて思いを馳せるきっかけ
ともなりました。
やたらとNHKスペシャルのテーマソングや、それっぽいのが掛かる
なあ、ここは名曲喫茶だった筈なのに等と、聴く気も耳もないくせ
に思った最終日、案の定マスター○田さんが女給に「ね、ここは名
曲喫茶だから。あーたの好きな曲ばかりかけていちゃダメなの。ね。
だから。こーいった名曲なんかも選んでかけなくちゃダメなの。ね。
いい」と「ね」を連発しながら、百万遍同じ小言を繰り返している
のも好もしく眺めました。例によって昔のオーナーがパーティーを
開いている場にも行き会わせ、老いて益々盛んな文筆家にひそかな
敬意と祝意とを致した事もあり、充実の麦ライフをエンヂョイでき
た二週間でした。
ピアノさん、ご無事で何よりです。ショパンですか、本領発揮ですね。
七面鳥、ちょっとだけ羨ましがってあげようかな……(←実は結構好き)
(`′) (ター)キー
∬⊃⊂∬
時差ボケで朝六時に起きました。午後四時には眠くなります。どうせ
真っ暗なので寝ちゃいます。朝五時頃就寝した管理人氏が起きてくる
のはちょうどその頃でしょう。嫌われてるんでしょうか、私。
おかえりなさい。時差で大変でしょう。
・・ターキーは、やはりでかかった。先生の奥様が10品以上の
料理を作られて、それはそれは豪華なサンクスギビングでした。
ご結婚されてた方が多かったせいか、ケーキをもってこられる
方が多く、その数も6種くらいありケーキビュッフェなみな
デザート。その御自宅にはピアノがあり、ショパンを3曲ほど
弾かせていただきましたら、皆感激してくれました。あり余るよろこび。
さらには若い女性二人の人気を独占:2歳と4歳の娘さんに
気に入られ、大変でした。というわけで、まあ楽しかったという
報告にて結論づけたいと思います。
一応、日本の自慢話に対抗したつもり。。
快晴です。例によって放射冷却。愚妻さんは掃除機をかけ、不佞は
暗くなる前に(!)学部や狼子黌を回って用を足します。日が短い
ので慌ただしい。こんな生活も冬至まであと数日。精々愉しんでお
くことにします。後ほどお目にかかりましょう。
コジカさんこんにちは。「いじめないでね」という割には挑戦的な初挑戦に好感
を持ちました(微笑)。
目下思いついたものは、陳健一の麻婆豆腐&杏仁豆腐(立川)、巣鴨の鯛焼き、
本郷のお煎餅、三鷹の小籠包です。根津のお汁粉も素敵。次の帰国の目標にしま
す。函館は実は蕎麦も美味しいのですが、これも食べそびれた。でも美味しい
ラーメンを食べたので良しとします。今回予想外に嬉しかったのは、羽田空港で
食べたまずいカレーです。懐かしいまずさに心温まりました。オススメ!