一筆箋舊帙    一筆箋/御歸り/御問合

平成二十年正月二十日第二千九百七十一号
平成二十年二月十六日第三千号

朗報 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月16日(土)21時40分14秒

今晩の「アド街ック!天国」(テレビ東京)によると、東京駅に京
都の老舗喫茶店、イノダコーヒが構内に出店した由。行かねば。


日本西洋史学会 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月12日(火)22時29分42秒

第五十八回大会の要領が掲出された。後日の用のために鏈接。


梁塵 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月12日(火)01時05分2秒

美声で歌うことを譬える「歌動梁塵」。梁[うつばり]の上に積も
る塵が動き、舞う様子を想像すると、何だか汚らしい。ジャイアン
の歌声が聞こえてきそうだ。


名曲 投稿者:愚妻  投稿日: 2月 8日(金)13時51分28秒

たった今名曲喫茶麦でかかっているのはジョーン・バエズのTimes they are achanging。初めて聴いたからいいけど、なんかウェスタンで落ち着かない。歌声喫茶に宗旨変えしたのか、長年の常連の皆さんへ特別サービスなのか。久々に麦プリン頼んだのに、プツンプツン飛び続けるベートーベンが掛らないので残念。


恭頌新禧 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 7日(木)15時47分28秒

武州では快晴の春節を迎えました。


交信中 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 5日(火)00時16分22秒

ジーンズに、暖色系のセーターをくすませた老人が、総武線快速車
内の日溜まりで、空の右手を耳にかざし、見えない受話器に向かっ
て通話を開始。

「そうか、こいつらは田舎者じゃないんだ、野蛮人なんだ」

ツカツカと車輌の中を闊歩する。

千葉駅で下車した偉人はドトールコーヒーに入って、アイスコーヒー
百八十円なりを注文。お釣りは八百二十円ですと朗らかに宣言しな
がら、モク部屋へと消えていった。


さすがに 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 4日(月)20時51分10秒

ミーノーア時代からヨーハンネース騎士団の西遷までを九十分で話すのは無理があったらしい。クタクタだ。聞く人に気の毒なことをした。


アイガイオン考古地図集 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 3日(日)22時21分35秒

エラザ共和国海運多島海島嶼部施政庁(とでも訳すのか)、アシナ
(アテネ)大学
とが共同で運営するアイガイオン考古地図集も手軽
に読める。現代ギリシア語、英語。


エリニカ 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 3日(日)21時20分4秒

ミハイール・ラハナース氏「エリニカ(ヘッレーニカ)」は便利な
網站。現代ギリシア語、ドイツ語、英語。


訂正 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 3日(日)00時17分40秒

×ヘラザ
ラザ


オデュッセウス 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 2日(土)23時04分4秒

ヘラザ共和国文部省所管の網站「オジッセフス(オデュッセウス)」
には、同共和国内のめぼしい遺跡、史跡の綜覧があって、検索に便
利である。現代ギリシア語版と英語版とがある(ギリシア語版の方
が充実しているのは勿論である)。


ホクホク 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 2日(土)13時32分16秒

名著Jeffery, L. H., The Local Scripts of Archaic Greece: A Study of the
Origin of the Greek Alphabet and its Development from the Eighth to
the Fifth Centuries BC
, OUP 1961
が新品で四千五百円だったので、直
ちに発注。アマゾン日本である。一九九〇年年に補遺附きの第二版
が出たせいでこの価格をつけたのかも知れないが、通常の古本市場
の相場でも二万円は下らない書物である。補遺の数十頁はコピーし
て挟んでおけばいい。随分と安上がりで手に入れることが出来たの
は幸いだった。


無題 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 2日(土)02時05分19秒

てっちゃん、よう御越し。お久しぶりです。

ネットスケイプがAOLに取り込まれた辺りから、嫌な予感はしてい
たんですよ。あの会社の体質に首を傾げるところもありましたし、
技術力にも怪しげな所がありますから。

AOLメイル利用者(複数)にメイルを送ると、届いたり届かなかっ
#たり。送信者には不達通知が戻ってくる訳でなし。

Lunascapeですか。不佞は主にFirefoxです。タブブラウジングは手
放せませんよね。

そのくせ、メイルのログはネットスケイプ・コミュニケイターで管
理していたりして、なんだかちぐはぐなことをやっています。容量
が軽くて済むのが有難くて。


そうか 投稿者:てっちゃん  投稿日: 2月 1日(金)23時44分56秒

ご無沙汰。

Netscapeも終了ですか・・・
離れていたので知らなかった。
最近は、国産ブラウザ「Lunascape4」を使っています。
IEの機能も継続できるので。
ちょこちょこバグがありますが、タブブラウザは便利です。

ではまた


想い出す 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 1日(金)21時49分18秒

日課の散策中、思い出した。思い出したことなどついぞなかった事
だ。慥にそういうことがあった。暫くその想い出に浸る。限りなく
懐かしい。

お、枯葉の上で鳩が眠そうにしているぞ。

その瞬間、何を想い出したのか、すっぱりと忘れてしまった。すぐ
そこに潜んでいながら、未だ嘗て一度たりとも想い出すことのなかっ
た記憶。そんな記憶もあるらしい。懐かしい記憶が甦ったという記
憶と感触だけが後に残った。


感慨 投稿者:元夏迪  投稿日: 2月 1日(金)17時38分57秒

日本国内でネットスケイプの手当が終了する。縁故の深いモジラが
移行の勧告を公示した。


一例を挙げれば 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月31日(木)02時28分5秒

ロドスの事を知りたいと思い、Higbie, C., The Lindian Chronicle and
the Greek Creation of their Past
, OUP, 2003
を繙く。リンドス市
の城塞から出土した大碑文を校定し、英訳を附し、詳細な註釈を施
したものである。ギリシア語ばかりを読んでいてうっかりしていた。
註釈に引かれた碑文の英訳が目に入ってぎょっとする。第五十七葉
から(SIG3 679.82-4)。

ho dionÝsios, hòn éphasan pepisteukénai tÔi lYsándrOi, epedeíknYto
ek khrEmatismÔn oukh hypárkhOn en toîs tópois tÚtois, all’ hóte mèn
presubeúOn eis rhÓmEn hypèr tÊs patrídos, hóte dè phygadeúOn.


Dionysios, who they say trusted Lysander, showed from public
records no longer surviving in these places, that when he was
ambassador to Rome on behalf of his fatherland, and when he
was a fugitive.


「ディオニューシオスは、リューサンドロスに信倚しているとされ、
国を空けて、ローマで使節として働いたり、或いは亡命者の身の上
になったり[転落したり]する裡に、公文書を証拠に告発されるこ
ととなった」という辺りが、大意であろう(「告発」と訳出した部
分には検討の余地がある)。

英文ではディオニューシオスが「国を空けて」いるべき所を、「公
文書がもはや残っていない」とするのであり、英語で言えばnot...but
...
の構文に当たるところを見落としているのであり、さらにまた、
「裡に」と訳した、時を表す従属接続詞(ホテ)を、同格名詞節を
導く接続
詞(ホティ)と勘違いしているのだ。

牛津大学出版局は大丈夫なのだろうか。頭が痛くなってきた。


訂正 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月30日(水)19時26分38秒

×最近の傾向とは
○最近の蛍光灯


だっかん(雑感) 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月30日(水)19時25分32秒

最近の傾向とは色温度が高くて寒い。同じ等級のものなのに、青く
て仕方がない。家の中が方々でちかちかしてデスコ状態だったので、
換えてみたらこの始末。

(例えば)「そんなもん見らんとさっさとせな」という口語文の中
に、方言要素はないと信じて来た。「せな」はグレーゾーんに掛か
るかな、「見る」に否定の助動詞「ず」が接続しているのは多少古
いかな、と、その程度の料簡で会話をして三十数年である。

動詞「見る」が上一段なのに、未然形として「見ら」を口にして平
然としている事実に気付き、愕然としている。(上)一段動詞が五
(四)段動詞になるのは、紀州弁の特徴らしい。流石に「見やん」
だの「見えやん」を関東で使うことはない(はずだ)が、案外と方
言は血肉となっているものである。小学校二年生の綴り方で「ラン
ドセルをせったらおうて」と書き、担任の浅子先生に「背負って」
と添削された時の衝撃が、今また甦る。

鏈接したウィキペディアには「いっかど」は田辺弁なり、紀南のみ
に見ゆ云々とあるが、伊都郡でもこれは使った。紀ノ川筋の方言を
一括りにするのにも違和感を覚える。和歌山市の言葉と、橋本の言
葉は相当違う(ものであった)。関西弁とやらに同化しつつある現
状では、詮なき呟きなのであろうが。


小耳に挟んだ 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月27日(日)23時24分57秒

「ビザンチン皇室慈善舞踏晩餐会」とは何だろうか。


南国の全手葉椎が 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月27日(日)01時12分51秒

上水の堤に傾きかけた日が当たり、水面近くからひょろ長い木が一
本伸びていることに、今更気づく。

幹は細く、周囲には樹齢三、四十年くらいであろうか、まだまだ細
身の欅や各種の槭樹に紛れて立っているために、写真に収めるのは
厄介だが、姿がいい。樹影が纏まっているせいだろうか。蓁々たる
葉の付き方も気持ちがよい。

あれは椎の木だろうなと見当を付けて、帰館後に網上図鑑を紐解い
てみたら、どうも全手葉椎のように見える。国内では暖かい所に自
生する樹木ながら、近年では街路樹で方々に植わっているとの由。
堤にもかなり植わっている。中には相当の巨樹もある。本当に全手
葉椎なのだろうか。

植物の名前には蒙い。小学校三年まで、近所の小父さんに教わった
程度の知識で足踏みをしている。小学校二年生だったか、農工大学
の学部生が主宰した「サマースクール」植物採集班でも、構内に植
わっている植物を見せて貰い、かなり珍奇なものまで教わった筈な
のに、残っているのは参加した記憶と、観察に使った携帯用子供向
け植物図鑑(サマースクール終了後に購入した)、色褪せた姫女宛
[「宛」上草冠]と蓬か何かの押し花だけである。

椎に拘るのは他愛もない理由からである。(恐らく)生まれて初め
て上った木が、某団地の敷地に聳える椎だったのだ。蛇足ながら、
初めて落ちた木は、紀州の本宅に植わっている柿の木である。


もっとキティーに 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月25日(金)23時53分56秒

唐突に保守作業を初め、予告した期日まで四日も余して唐突に終わ
るというのも不可解ですな。サーバの機器に故障でもあったのか知
らん。

とまれ、一筆箋が消滅して驚いた方々、申し訳ありませんでした。
不佞も驚きました。

#題名は本文と関係有りません。


Citius Altius Fortius 投稿者:愚妻  投稿日: 1月25日(金)23時25分41秒

最先端のオリンピック研究によれば、四年に一度のオリンピックが必ずうるう
年に開催されるのは、古代ギリシャのオリンピア競技祭が、四年分の慣性が作
用して速度が落ちてきた地球の公転と暦上の一年の周期との誤差から生じる穢
れが浄められるよう、また次の四年分の公転エネルギーが地球に授けられるよ
う、神々に祈願する儀礼だったということに由来する。

例えば砲丸投げ競技は、重い鉄球を投げて地球の運動を促進するための舞の一
種を起源としており、オリンピックの原初のあり方を特によく残している。た
だし鉄球を投げる方向に付いては見解が分かれており、「地球の進行方向と逆
向きに投げ、その推力による公転速度の増加を祈念した」という見方と、「地
球の進行方向に投げる事により先へ先へと進む地球の象徴とした」という見方
とがある。

オリンピックとうるう年の関係を明らかにするこの画期的な新説は、岩波新書
『古代オリンピック』にも書かれていないものであり、今後の展開が大いに期
待される。と元夏迪は語る。


Nation Empire Decline 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月23日(水)17時17分58秒

Shumate, Nancy, Nation, Empire, Decline: Studies in Rhetorical
Continuity from the Romans to the Modern Era,
London: Duck-
worth, 2006
の書評が出た。一筆箋を御覧の方々の中にも、関心を
お持ちになる方がおいでかも知れないので、鏈接しておく。


教授効果 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月23日(水)17時06分12秒

希語を講じ初めて、十ヶ月近くなる。受講生も大分様になってきた。
文章の流れを緻密に読んで見せることも増えてきた。自分の問題点
も把握するように努めているらしい。喜ばしい限りである。

今週は更に成長を伺わせる発言が出た。訳読当番が、

ei d’ éti perimenÛmen,

という件に差し掛かる。「あってはならぬことながら、万万が一に
も、まだぐずぐずと管を巻いていようものなら」といった含みの件
である。

当番はペリメヌーメンが(多少不規則性のある)未来形であること
を看破した。その結論に至る道筋を訥々と説明する。言語学的な説
明ではないが(当面、こちらもそこまで求めない)、自分がどのよ
うな情報を参照したのか、それをどのように判断したのかと語る。
スマートな道筋を辿っていることが判る。

更に言う。条件節を導く接続詞エイの後ろに未来時制の動詞が直説
法がおかれているというのは、私にはちょっと判らない現象ですか
ら、含みを掬えませんので、差しあたりこれが現在時制で述べられ
たものとして訳します、後で御説明願います云々。

希語で高度に発達した条件文のうち、条件節中で未来時制の直説法
動詞を置くという型は、少し特殊である。「感情的(激情、ヒステ
リックの婉曲語)未来」という語法に属し、その出現には相応の文
脈を必要とする。また、先代講師より引き継いだ、教室指定文法書
(名著である)にも、この現象は立項されていないため、学習上の
困難が伴う点でも、特殊なのである。

目の前のテキストに、自分の知らない文法事項が存在することを見
きわめ、これを調べても調べ当たらぬことを知り、問題の所在を見
抜いた受講生は、慥に希語能力を身につけつつある。失礼ながら、
もう大分お年を召した方々だ。それでも、である。人間とは凄まじ
いものらしい。


駄作と補追 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月23日(水)12時33分36秒

降り止めば白皚皚[はくがいがい]の雪の花舞ひ散り四方[よも]
を鈍[にび]にぞ染むる              鶯 里

あの日、西武線は秩父から池袋まで、川越から新宿まで、線路に火
を焚き、凍結を防いだ。暗闇に橙の炎がちらちらと揺れていた。


雪だ 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月23日(水)12時17分36秒

雪だ。降り止むと白皚皚に耀く雪花が、舞う間世の中を灰色に塗り
込めるのを、昔から不思議に思う。

高等学校の入学試験の朝五時過ぎ、森々と降る雪に、入試の実施が
危ぶまれ、兼ねて下達されていた通りにラジオの周波数を合わせる
と、番組中、暗号か、新聞の尋ね人欄のような唐突さで短く「実施
です」。

番組は何事もなく進行し、「ブルーライト横浜」を流し始める。気
味の悪い歌声が、気味の悪い歌詞を唸っているのを聞き捨て、降り
積もった雪に脚を突き刺しながら、暗い中を駅に向かって歩く。疎
らな街灯が照らす闇に舞う雪の禍々しさ、鈍色に照る雪面の不敵さ。

二十二年前の二月十八日を、今、玉川上水に舞い降りる雪を見なが
ら思い出す。


偶感 投稿者:愚妻  投稿日: 1月21日(月)07時44分11秒

森永「苺の季節ケーキ」を食べた後で緑茶を飲んだら
マンゴーの味がした。

おしまい。


無題 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月21日(月)00時40分16秒

物事を批判的に見る眼を培うのが教養であり、その眼を持つことが
教養だろうと思うのだが、世の中を自分に都合よく眺める知恵を身
につけて喜ぶ教養主義者が存在するのは何故なのだろうか。自己の
絶対肯定に意気込む姿勢には、昨今の世相と通じるものを感じる。
絶対肯定がちょくちょくと絶対否定に転化するのは周知の事実であ
る。教養の敗北である。


読書 投稿者:元夏迪  投稿日: 1月20日(日)02時26分58秒

珍しく翻訳書を読んだ。啓蒙書である。原文(英語)は軽妙、滑稽
な筆遣いに違いない。同年配の訳者は善戦している。喜ばしいこと
である。

訳者とは別の人物が書いた解説には、少し首を傾げた。字数を使い
すぎているのではないか。例によって「目配り」を「目配せ」と書
いてある。この人物の著作を初めて繙き、この「目配せ」に行き当
たった時には、誤植だろうかと思ったが、どうやらそうではないら
しい(件の書物は、「目配せ」辺りで読むのをやめてしまった)。
瑕瑾である。瑕瑾であるだけに残念である。訳者のために惜しむ。

解説者は国語しか解さない読者のために、原著のものとは別に読書
案内を編んでいる。そうした需要に対する「目配せ」は素直に多と
し、頭を垂れるものである。


一筆箋/御歸り/御問合

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