一筆箋舊帙    一筆箋/御歸り/御問合

平成十四年一月五日第二百七十一号
平成十四年一月三十一日第三百号

トキの子 投稿者:ヒロチ  投稿日:01月31日(木)23時32分59秒

「トキが私の母を孕ませて産ませた子がこの私である」

この事実を知ってしばらく呆然としました。

その衝撃も覚めやらぬというのに、母がガンの手術を受けることを知りました。私は郵便配達のバイトで稼いだ8万9千円の中から手術費の半分を負担することにしました。
手術は無事成功し、われわれ兄弟は母を囲んで祝福をしました。
しかし祝福の輪の中で、イガグリ頭の幼い弟だけは不満そうな顔をしていました。私がバイト代を手術費に充てたために、弟にアイスクリームを買ってやれなかったからです。
私は手術の成功に喜ぶ一方で、自分がトキと人間の合いの子であるという事実に悩んでいたので、弟の不満顔を見たときに、こいつはなんて次元の低いことでウジウジしているのかと呆れざるをえませんでした。

次の瞬間、場面が新潟の農村地帯に飛びました。
田園でトキの親子が楽しそうにじゃれあっていました。
私はその光景を見て、人間には人間の幸福があるようにトキにもトキの幸福があるのではないか、人間もトキも幸福を求めるという点においては差はないのであり、したがって自分が人間とトキの合いの子であるからといって悩む必要はないのではないか、と思いました。

もちろん夢です。前世の記憶が蘇ってきたのか、あるいは自分の体内のどこかに潜んでいるトキの遺伝子が見させた夢なのか。

愚妻さんが「ナチスダンス」の夢を見ていたころに、僕はオロナミンCのCMのリハーサルでオロナミンC音頭を踊っている夢を見ました。こんな程度の夢ならいつも見ていますが、この夢がとりわけ印象に残ったのは、愚妻さんがナチスダンスを外部者の視点から眺めてそれをヤバイと感じていたのに対し、僕はあくまでも踊りの当事者であり、CMに出ることに対しても、オロナミンC音頭を踊っていることに対しても、そもそもオロナミンC音頭なるものが存在するのかという問題に対しても、何の疑問も感じなかったからです。こちらの方がナチスダンスよりもマズイのではないか。

どうも夢への参入の度合いが強すぎるようです。


剣橋皿屋敷を遠く見て 投稿者:元夏迪  投稿日:01月31日(木)10時22分15秒

珈琲を啜りながら書いています。午前一時、これから仕事に掛かり
ます。その前にちょっと抜き書き。井上靖『天平の甍』の一節です。

「それから四、五日の後、普照は托鉢姿の戒融を建春門に送った。
早春の陽を浴びて伊水の水は温(ぬる)み、河畔の柳は生暖かい風
にゆったりと揺れ動いていた。漸く李花の綻(ほころび)びようと
する季節で、行楽の人々の姿も幾組か辺りに見受けられた」


遠く人事を望見する筆遣いが好きです。もちろんこの作品は旧慣に
則り、ある時は主人公の胸中を叙し、またある時には登場人物を物
体のように描き出します。心情描写は至って平凡で、さらでだに陳
腐な手法に一層の陳腐を添えています。一方で空想の状景を活写す
る筆致には毫も揺らぎがありません。その筆先から描き出される点
景が、使い古された「神の視点」と相俟って、あだかも状景の全て、
人事の全てが点景であるかのような効果を産み出します。

藤村『夜明け前』といい、島木赤彦と言い、不佞はこうした風骨を
好む傾向があるようです。


破壊活動 投稿者:愚妻  投稿日:01月31日(木)09時41分16秒

今日はカップを落として割りました。昨日は冷蔵庫で冷やしてあったワインのビンが扉を開けた瞬間に落下して惨事に。その前には皿を割りました。さらにその前にはグラスを割りました。他にもあったかも知れませんが思い出せません。全部今年に入ってからです。全部私です。幸か不幸か部屋の備え付けばかりだったので(ワインは除く)、愛着のあった品はありませんでした。だから壊すのかしらん。

何かとても良いことの前触れだったりしないんでしょうか。詳しい方いらっしゃいませんか。


朝八時 投稿者:元夏迪  投稿日:01月28日(月)17時15分56秒

烈風が唸りをあげています。五時過ぎから小雨混じりに吹き荒び、
窓の硝子を圧迫します。隙間風は寮内の防火扉を揺るがし、自室
の板戸すらカタつきます。地震を思わせる低い音が、鼓膜に深く
轟いています。空は明るく晴れています。


追加。 投稿者:元夏迪  投稿日:01月28日(月)09時13分41秒

件の五勝手屋羊羹(食べくさし)の雄姿を上網致しました。写真頁
からどうぞ。


天麩羅 投稿者:元夏迪  投稿日:01月28日(月)07時04分07秒

天麩羅を食べました。牛乳を温める小振りな鍋で揚げた椎茸や、蝦
と豆の掻揚げ。サクっとした歯触りや、椎茸の豊かな香りは堪りま
せんでした。二人で所帯を構えて初めて揚げた天麩羅に、更けやす
い蕃地の宵を忘れました。愚妻さんに感謝。

天麩羅は「斎き時」を表す葡語に由来するそうです。羅語のテンプ
スでしょう。剣橋は耶蘇教の坊主が集った土地柄です。如何にも相
応しい献立です。その割には斎きもせずに、天麩羅で浮き浮きして
しまいます。修養の足らぬ「田舎者(パーガーヌス)」だからでしょ
うか。

ぷちさん。「テレバイダ」(土曜二十二時〜)て何ですか。


そういえば 投稿者:ぷち  投稿日:01月26日(土)22時59分11秒

どなたか東京MXテレビの「テレバイダ」(土曜22時〜)を御覧になっている方おられませんか?
いえ、珍しくアニメではないのです。サッカーでもありません。アメフトでもないんですぅ。

お勧めできるかどうかわかりませんが、私この番組大好きなんです。萌えないけど。


煮詰まってます・・・ 投稿者:ぷち  投稿日:01月26日(土)22時37分23秒

仕事が山積してます。同時に4つも!もう押しつぶされそうです。
でも“Noir”のビデオを見て「萌え〜」状態なので
実はちょっとだけ幸せだったりします。

今晩は雪が降りそうです。深々と冷えてきました。いい感じ。
こういうときに即席でもいいから豚汁、あるといいんだけど。でわ。

追記;今日が旧来の秋葉デパート最後の日だったのですが
時間がなくて行けませんでした。残念。誰か行ってませんか?


五勝手屋羊羹 投稿者:愚妻  投稿日:01月26日(土)20時07分59秒

シックなデザインの円筒に入っており、尻から押し出たのを糸で切って食べます。この過程を楽しむための羊羹、だとずっと思っていたんですが。大人になって気づくに、味も実に品が良い。ちなみに渡島郡じゃなくて檜山郡みたいですよ。

http://www.tabiru.net/madein/esasi/1_index_msg.shtml


日没後 投稿者:元夏迪  投稿日:01月26日(土)07時17分40秒

今朝の即席豚汁、碗の底に動物性蛋白質繊維と見られる八ミリメー
トル立方程度の固まりと、同じく八ミリメートル角に裁断された赤
い植物、白い植物がとごっておりました。人参と大根に見立てる事
が出来そうです。芸が細かい。芸が細かすぎて、危うく見過ごすと
ころでした。

先程愚妻さんの焙じた番茶を啜り、渡島は江差の銘菓「五勝手屋羊
羹」を摘みながら『夜明け前』を広げていました。こうして金曜日
の夜は更けて行きます。

今はまたUsener, Isokrates, Platon und ihr Publikum. Tuebingen, 1994
を読んでいます。窓外では雨足が繁くなってきたようです。


夜明け前 投稿者:元夏迪  投稿日:01月25日(金)14時51分06秒

独り書見の六時前、猛烈な空腹に苛まれて、知人が送って呉れた即
席豚汁(生味噌タイプ)に湯を注ぎました。具は皆無。乾燥浅葱を
放り込んで啜っています。集中暖房の入る直前、今位が一番寒く、
味付きの湯を啜るだけでも生き返る心地がします。


青空文庫様々 投稿者:元夏迪  投稿日:01月25日(金)10時57分56秒

寝不足のまま、レイノルズ媼の演習に行きました。広大無辺な媼の
学殖に圧倒されつつも、圧倒されるばかりでは能がないと思い、斯
界の泰斗を前に、自説を開陳して参りました。媼は「成程そうかも
しれませんね、それは考えなかったわ」と微笑む一方、こちらが考
えもしない解釈を次から次へと繰り出して、格の違いを見せていま
した。

日本でいた時分、演習で週に二度は古碑を読んでいました。火曜日
にはラテン語、金曜日にはギリシア語の碑文、これを七年近く続け
ました。先日一時帰朝した折にも、久方ぶりに顔を出して、教官や
同学とあれこれと意見を交わし、大変愉しい時間を過ごしました。
病膏肓に入るとはよく言ったもので、すっかり中毒しております。
そんな中毒患者には、レ媼の演習は誠に有難く、また当地に来てよ
かった、まるで日本で勉強しているみたいだ(!)、と思う唯一の
授業です。

演習中、だらしない格好で碑文の文面の上に屈み込み、考えたり、
書き留めたり、喋ったり、また考えたりしていると、まさしく日本
の演習に出ている錯覚に襲われます。しかし演習も果てる頃、窓の
外の工事現場が目に入り、たとえ日本の大学院と同じ格好で、同じ
事をやっていても、この国の中では象牙の塔に籠もる特権階級になっ
てしまうのだなあ、と思いなし、何だかやり切れなくなりました。
欧州の他の地域の事情は判りません。まことさんやひろちさんの処
は如何でしょうか。

それでめげたわけではないのですが、どうも頭痛がして気分が優れ
ず、早々に学部から戻って小説を読みました。梶井基次郎の『檸檬』
や、遺稿となった『闇の書』『海』『温泉』、岡本綺堂の『綺堂昔
語り』、また藤村『夜明け前』の一部に目を通し、くつろいだ心持
ちに浸りました。青空文庫は本当に重宝します(先日来、内藤湖南
や桑原ジツ蔵、狩野亨吉を下載して読み散らかしています)。梶井
の作品は繊細で美しく、これまで読まずに暮らしてきて、損をして
いたような気になりました。

色々あった今日一日の余韻を胸に、今は独語の研究書を読んでいま
す。


国様々、人様々 投稿者:元夏迪  投稿日:01月24日(木)05時05分15秒

ロビン・オズボーン氏の古代史教授就任講演を聴いて参りました。
先々代教授ジョーンズ氏の就任講演と同じく、正月二十三日を選び、
氏が先鞭を付けた、後任のフィンリー氏が刷新した、古代アテーナ
イ民主政研究を概観し、自らの研究方針を闡明する講演でした。

非常に退屈でした。語学的には何の問題もなかったと思いますが、
全く面白くありませんでした。宗教的な側面を重視し、壺絵の解読
を通して、より透徹した民主政理解に努めたい。そう言われても、
何を今更、と思ってしまいました。裏を返せば、陳腐に響く位に、
彼の研究が学界を席巻し、深く根付いたのかも知れません。所々に
赤い革を貼り付けた靴と、学位保有者が身に纏う装束(ガウンと呼
びます)、真っ白なネクタイのチグハグぶりだけが印象に残った講
演でした。

講演後、同学に感想を求めると「素描の域を出ないけど、面白かっ
た」と申します。不佞がちっとも面白くなかったよ、何が新しいの
かね、と尋ねたら、何やら妙な顔をしておりました。日本人の不佞
が懐く問題関心や、親しんできた学説史の理解では、十分汲み尽く
せぬ含蓄があったのでしょうか。万国共通が建前の学問の世界では
ありますが、やはり御国風というものは存在します。今夕もその感
を深くして帰途に就きました。

蛇足ながら、講演ではスライドを多用しました。ハンセンの単行本
の表紙はこれこれ、といった具合に、あまり必要ではなかったよう
に思いますが、兎に角部屋中の照明を落としておりました。その闇
の中で講演に耳を傾けながら、就任演説(イノーギュラル・レクチ
ャー)て、就任時に吉兆を占う鳥占い(アウグルム)が語源だった
な、占いで言えば、この講義は真っ暗という卦が出ているのかな、
それではあまりに何だから、いつも世話になっているオズボーン教
授の今後に幸あれとまずは祈念しておこうかな、等々、愚にも付か
ぬ事に思いを繞らせておりました。

愚妻さん、最近は「普通である」事を口にしたり、態度に示すこと
を吊し上げるのが流行です。個性の時代、奇を衒う時勢に迎合して、
後ろ前を頌えようではありませんか。


hysteron proteron 投稿者:愚妻  投稿日:01月23日(水)23時39分55秒

今日は珍しく元夏迪が朝から用事。帰宅すると、前身頃だけに格子模様のついているVネックのセーターを、後ろ前に着ていました。朝からずっとそのままで用事を済ませた様子。五分ほど爆笑。すると、「これを間違いだと思うのが間違いだ」と申します。武士の情けで内緒にしてあげようと思ったのに、可愛くないことを言うから全世界に向けて発信することにしました。あースッキリした。


午前四時の剣橋から御機嫌よう。 投稿者:元夏迪  投稿日:01月22日(火)13時15分27秒

本日の獲物。

W. Jaeger, Paideia: The Ideals of Greek Culture.vol.III
J. Ober, Political Dissent in Democratic Athens: Intellectual Critics of
Popular Rule.

Teach Yourself: Dutch.


書籍なんて久振りに買いました。イェーガーの第三巻は前四世紀、
プラトーンの時代の思潮を描き出します。同人に代表される哲学と
は一線を画した医術、弁論術が登場します。さらにイソクラテース
の唱える知行合一のピロソピアーに惜しげもなく紙幅を割いている
点が目を惹きます。独語原稿を英訳したものが上梓され、行われて
おります。頁を繰ると、とても翻訳とは思えぬ見事な文章です。イ
ェーガー先生の鮮やかな筆捌きに、ついつい引き込まれてしまいま
す。押しも押されもせぬ古典です。

オーバー氏の書物は、廉価版が出ていたので、つい手が伸びました。
エリートと民衆という視点は相変わらずのようですが、不佞も最近
は一寸この点を考える必要が生じましたので、丁度よい塩梅です。
それにしても小さな字がビッチリ詰まって四百頁という大部の書物
に、くらくら来ております。これが十四ポンドですから、安い買い
物でした。

最後のオランダ語はオマケです。愚妻さんの顰みに倣い、不佞も押っ
取り刀で挑戦してみようかと思います。蘭語で必要な文献があるか
らですが、序でに幕末の祖先の気持ちを味わえれば、と思います。

夜鍋の合間のつぶやきでした。


蘭学事始 投稿者:愚妻  投稿日:01月21日(月)23時11分29秒

てっちゃんさん、

>それなりの成果
でもないんです。結局フォントとキーボード配列を捨ててしまったので……。その後元夏迪氏はギリシア語(の字)を読めるようになったらしいんですが、私はちと怖くなって、試みていません。

メーリングリスト「きのかわ」への御誘い、有難うございます。大変光栄です。でも、夫婦とはいえ、お互いに知られない活動の場を残しておいた方が、精神衛生上宜しいかなあと思い、現時点では止めておくことにします。でも、今後も夫婦共々、宜敷御付き合い願います(とかいいつつ、実は既に偽名でコッソリ参加していたりして……。フフフフ……)。


ところで一昨日見たのは、これさえ読めば誰でもオランダ語が出来るようになる!という素晴らしい本を日本語で書いたオランダ人に出会い、彼女の川縁の自宅にボートで出かけていって、その本を安価で譲ってもらう(ついでに椅子などの中古家具も安く買う)、というなんとも都合のいい夢でした。その本は読み物風で、絵がいっぱいあって、字も多色刷りの、綺麗な楽しい本です(『an-an』みたいなレイアウトだった)。実は、以前から気づいていたけど見なかったことにしていた、とても大事そうなオランダ語の本があって、絶版だしケンブリッジの図書館にもないから「読まなくていいかなー(やったね!)」と横着をしていたのです。そうしたら、今日、元夏迪さんというとても親切な人がいて、ネット上の古本屋で3.4ユーロぽっきりで売っているのを見つけてくれました。有難う。あとは夢に出てきた本を探してきて下さい。


それなりの成果 投稿者:てっちゃん  投稿日:01月20日(日)00時44分47秒

>画面の見過ぎでうぇうぇ吐き気を催してきた頃、何故か突然問題が解決。
>全体的に謎。着想が良かっただけに、残念です。-300点。
お疲れさまでございます。まぁ、それなりの成果があったのでは?
それも愛嬌ということで(自分勝手に解釈)

+100点のマドレーヌ食べて見たいなぁ・・・

ところで、楽しい一筆箋を書かれる愚妻様。
是非MLにご参加頂きたいですね。
あ、元氏のお許しが必要かしら?

それとも・・・


今日の成果 投稿者:愚妻  投稿日:01月18日(金)09時07分39秒

その一。
母にレシピを請求の上、マドレーヌを焼きました。アーモンドパウダーたっぷり。しっとり、ふんわり、レモンの香りで美味しいです。+100点。
その二。
南北キプロス問題に触発され、殊勝にもギリシア語の新聞をネットで読んでみよう!と一念発起。そのためにはまず現代ギリシア語を読める環境を調えねば、とフォントをインストール。そうしたら読書ノートを取るのに使っていたクラリスワークス4.04が何故か起動しなくなる。機能拡張の切り直しやらアプリケーション/OSのインストールやらで二時間半が経過。画面の見過ぎでうぇうぇ吐き気を催してきた頃、何故か突然問題が解決。全体的に謎。着想が良かっただけに、残念です。-300点。


懐かしく、鼻息荒く 投稿者:元夏迪  投稿日:01月18日(金)07時22分41秒

三鷹談義に花が咲いていますね。武州の丘陵地帯に十八年暮らした
不佞には、些か平坦で物足りないところもありましたが、彼の地で
送った新婚時代を思い返すと、懐かしさでいっぱいです。

学会報告の仕度に追われ、折角の黄金週間にも遊びに行けず、夫婦
二人で近所の園芸品店「高橋プランツ」に足を運び、珍しい草花を
見物したこともありました。勤務先から帰る途中、「あべちゃん」
(後に改装して「たこ丸小屋」となりました)で土産に蛸焼きを買
い求めたのも、随分昔の事に思えてきます。武蔵境駅の側にある理
容店「ミスノ」の老夫婦は御元気でしょうか。黴臭い境南堂古書店、
狭さが好もしい祥節堂古書店。古書を買う金さえなくて、ただただ
本の背中を眺めに行きました。煮詰まって疲れた頭を休めに行った
関野天神の境内は、幟だけが高くはためき、ひっそりと静まりかえっ
ておりました。

既に学期が始まっています。第二学期です。当地ではレント期と称
します。二本目の論文の締め切りまであと一月、厳しい日々になり
そうです。前回に引き続き、再びイソクラテースの御厄介になる予
定です。繙くのは『パネーギュリコス』。古今東西の散文史上に独
歩する文宗が、齢六十にして得た代表作です。文理平通の晴朗な筆
捌きは、白寿を目前に脱稿した『パナテーナイコス』の陰翳とは、
一味も二味も違います。

今日は碑文の演習に行って参りました。初日です。拓本の取り方と
注意事項を一通り教わり、担当教員レイノルズ媼の苦労話に大爆笑
した後、ベンガジ(ユーダイアー属州ベレニーケー)出土の希臘語
碑文を読んできました。先学期の雪辱、という訳ではありませんが、
レ媼の英語にも慣れて来た心安さか、いきなり配られた碑文をバリ
バリと読んで見せたら、媼は一寸驚いていました。他の学生もぽか
あんとしておりました。あー気持ちよかった。議論もバッチリ噛み
合って、あー超気持ちよかった。


私の払った水道料金は 投稿者:愚妻  投稿日:01月16日(水)08時27分34秒

そんなところで皆さんのお役に立っていたんですね。うきー。

今日は古くなった緑茶を焙じてお番茶をいれました。
JR吉祥寺駅南口の香りが家の中に漂いました。美味しいです。おわり。


三鷹ねぇ・・・ 投稿者:ぷち  投稿日:01月14日(月)11時15分14秒

私(と全国のヲタクたち)にとっては水道局のポスターと下敷きが魅力かな。


三鷹! 投稿者:愚妻  投稿日:01月13日(日)21時48分53秒

「アド街」ちょっとだけうらやましい。ハルピンの小籠包と愛想の悪いおばさん!また野川沿いには民家でやってる小さな手打ちのお蕎麦屋さんがあり、お庭でずずーっとすすります。庭からちょいと山椒の葉をちぎって味噌田楽に添えてくれたりもするのです(洗ってからだよ)。天気の良い日にばか山で食べるお昼ご飯もうまかった。大学を移った当初、どこで昼食を食べてよいものか戸惑ったものでした。講堂前のショボイ芝生でパンを囓っていたら顰蹙をかい、三四郎池でひっそりとおにぎりを食べていたら臭かった。


三鷹 投稿者:針鼠  投稿日:01月13日(日)00時51分52秒

こんにちは。今夜の「アド街ック天国」は三鷹でした。三鷹といえば、野川、たいやき、
禅林寺、玉川上水、ぎょうざ屋のハルピン、それにICUのばか山。授業をさぼってそこで
寝るとばかになってしまうんだ。ぼくは撮影スタッフが養鶏のおじさんと一緒に皆で
生卵ご飯を食べている辺りで、どんどん目頭が熱くなってきてしまった。三鷹はそんなに
よく知らないけれど、とてもいい町だ。冒頭、山田五郎が三鷹市の地図をパネルに示して、
電車の路線が沢山走っているが、みな市の隅の方でかすっていて、まんなかは走っていない
と言った。そしたら、峰竜太が「それに、四国に似ている」といった。この「それに」には
何の意味もない。僕は峰竜太ブラーボオと思った。この番組を見始めるまでは、彼のことは
好きではないほうだった。それが、この番組を見るようになってから、心の中で「峰さん」
と呼ぶようになった。薬丸のことも、いまは嫌いじゃない。三鷹在住の知らない女優さんが
出てきて、最後のコマーシャルでは「澄む街」というとても綺麗なコピーを案出しました。
コマーシャル自体、非常に美しい仕上りで、僕は終わったとき、よし、と呟きました。


惑溺の日々 投稿者:元夏迪  投稿日:01月11日(金)00時50分20秒

「ツアコンのマノーリスさんですか」
「ツアコン? 儂、タクシー運転手。タクシー乗る?」
友人に就いて、現代ギリシア語のお浚いを始め、こんな課文を暗唱
しています。その傍らで本業にも取り掛かり「異郷ニ住マヒテ生キ
長ラエンヨリハ、寧ロ祖国ニ死ナント欲シ」(リューシアース『誄』)
等と、古代語と対座して読み下していると、あやしうこそものぐる
ほしけれ、己の浮世離れを痛感します。

昨夜の夕餉ですっかり里心が憑きました。豊葦原瑞穂国の大八州、
五畿七道諸国蝦夷琉球、ワビサビとした湯治場に足を運び、蕨や薇、
質素な山家の幸にした鼓を打ち、桟に身を寄せ冷たい風に身を晒し
……。のっぽさんの書き込みに、漂泊の思い益々已み難く、身を焦
がしております。ぷちさんの警世小話二題にワビサビはその頂点を
極め、某師匠のさぶ〜いさぶ〜い訓導に、我が胸中は殆ど木枯らし
が吹き募っております(笑)。

のどひこさんの温泉三昧にあやかって、辺境剣橋で湯に浸かり、冷
え切ったこの心胆を暖め直さねばならないかも知れません。


そういえば、ほんの少しだけ鏈接の頁に情報を追加しておきました。


昨日の夕食 投稿者:愚妻  投稿日:01月10日(木)23時25分23秒

・四国の知人から戴いた讃岐饂飩(大阪の友人提供の関西風あげ付き)
・韓国にご実家のある友人から戴いたコチュジャン(最高級!)で作ったタレに漬け込んだ鶏肉
・別の四国の知人から戴いたヒジキご飯の素ご飯
・レンコンのきんぴら(山椒を利かせました)
・ほうれん草のお浸し
・手作りプリン
・水戸の友人から戴いた干し芋

皆さんご馳走様でした。合掌。


明けましておめでとうございます 投稿者:のっぼ  投稿日:01月09日(水)17時20分59秒

皆様、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

宮城のほうへ帰省しておりました。
実家のあたりはそうでもないのですが、
松島を越え、岩出山の辺りまで行きますと、
今年は雪も深く、
元夏迪さまや針鼠さまなどが好きそうな(?)、
ひなびた場所がかなりあることを再確認いたしました。

ぷちさま、
体調は回復なされましたか?
昨日はそんな会が催されていたのですね。
私どもも、昼間から西洋史研究室の別室で似たようなこと(多分)をしておりました。
奇遇なことですね。
また昨日は東京大学文学部の卒論提出日で、
気にかけていた学生が提出したとの情報を密かに耳にし、
別室で胸をなでおろしたりもしておりました。

そうそう、のどひこ様と愚妻さまの温泉の話題で思い出しました。
私どもの私的な集まりでは、毎年東京近郊の温泉地で合宿を行ったりしています。
少し早いのですが、今年もそろそろそういう時期になりました。
私が去年から幹事の如きを仰せつかっているのですが、
旅慣れていないもので、
この上なく優秀な前幹事さまが一昨年にセッティングした
奥多摩温泉の宿を常宿にしようかと、などと考えております。
(去年はその宿を利用させていただきました)
食事もお湯もいいですし、宿の人もいい方がたですし。
なんといっても安いですしね。
ちょっと、幹事としてはずぼらでしょうか?


ぷち 投稿者:無題  投稿日:01月08日(火)20時56分46秒

「古代史の会」の新年会に行ってきました。
例年よりも豪華な食事にしたのですが、量が多すぎて食べられず、帰りに包んでもらいました。
店を出て本郷2丁目の交差点にくると、信号のところでダンボールを集めているホームレスの方が
こちらをじっと見ているのでした。
なぜ私を見ているのかわからず、そのまま通り過ぎたのですが、
50メートルくらい行ったところで気づいたので、戻って中華料理の包みを差し上げました。
余計なおせっかいかと危惧したのですが、快く受け取っていただけました。

なぜにあの御老体は、私のような若輩者に手を合わせてまで感謝しなければならないのか。
いまの日本社会の歪みとでもいうものを(甘っちょろい話で恐縮ですが)痛切に感じたのでした。

気がつくと秋葉まで下りていて「と○の○な」の前に来ていたので
傷心の私は、いかがわしい本でも買って気を取り直そうとしたのですが
あいにくもう閉店でした。そして私は傷心のままおうちへ帰ったのでした。

追記:お口直しに心温まるお話をひとつ。
新年会では私は両師匠にはさまれていました。
右手に座っていた某師匠が、私が正座していることに気づいて、崩すように仰ったのですが
私は股関節が固いし、慣れているので正座のほうが楽なのだ、と言いました。
そこで某師匠曰く
「じゃあさ、○○○するときどうすんだ?」
左手に座っておられるいま一人の師匠に聞こえぬように私曰く
「○広げるの、私のほうじゃないですから」
今年もアカデミックな会話で新年が始まりました。


函館よいとこ 投稿者:のどひこ  投稿日:01月08日(火)16時41分36秒

前から三百七十円でしたっけ?やっぱり今日も同じ値段でしたが。
これから飛行機に乗ります。市営温泉ともおわかれ。


ほりほり 投稿者:ぷち  投稿日:01月07日(月)01時02分27秒

いま年賀状の原版を彫ってます。
冬期講習が終わったのに、こんどはマンションの理事会とやらに出なければならなかったり
気が乗らなかったりで、いままで先延ばしになってました。
でも今晩中には終わりそうにありません。
馬の鬣(これで「たてがみ」と読むらしい)を彫るには三角刀が要るのです。
ペンナイフと1.5ミリの細丸刀だけで彫る私は、三角刀なんて持ってません。
明日ユザワヤに買いに行ってきます。また散財だ・・・。

今年の絵柄は昨年の蛇に比べてかなり手抜きになりそうです。ごめん。
今年はペンナイフの換刃がよく折れるので、いまいちやりにくいので。
それでも正目の板によく切れるナイフで絵柄を彫っていくのは年に1度の楽しい時間です。
もうちょっと彫ったら寝ます。明後日には年賀状出せそうです。
相変わらず時間にルーズで困ったもんだ。


露天風呂 投稿者:愚妻  投稿日:01月05日(土)23時24分28秒

温泉いいなあ!雪の中の露天風呂なんて最高ですね。帰路、洗い髪がバリバリに凍るもいとをかし。夏に行ったときには、入浴料は既に370円だった気がしますが……。というか、随分前からこの値段ではなかったでしょうか。記憶違いかな。湯当たりするまで浸かりたい。


一筆箋/御歸り/御問合

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