自平成十三年五月十二日第六十一号
至平成十三年六月五日第九十号

二十時です。漸く清昼から黄昏へと遷ろうかといった具合です。光
線は黄色みを増し、空一面に広がっていた鉛白の雲は開けて、今は
蒼穹高く飛ぶ鰯雲です。

黌内の一隅にある拙宅は寮の最上階の三階で、東西に窓を穿ち、天
窓まで備えています。日の出から日の入りまで始終陽が差し、頗る
愉快な心持ちです。

日脚の長い昨今では、天井の焼ける時間も確実に伸び、外気は涼爽、
室内はモハッとした熱気、という状態ですが、流石に湿度が低いの
で、所用で階下に下れば涼しくなります。

夜分は自室が温かく、二階で涼しく、一階では肌寒いという塩梅。
六月に集中暖房を焚くから何事かと思えば、こうした事情があった
のですね。

慣れぬ陽気に戸惑いながら、武州や紀州の夏を思います。今頃は梅
雨入りを迎える頃ですね。皆さん御住まいの土地の気候は如何でしょ
うか。

自分の掲示板で管を巻いていたら、そろそろ二十一時です。先程ま
では景色を黄金色に染め上げていた光線に、どうやら赤みが差して
来ました。学食で夕餉に食べた鶏のナゲットは冷凍だろうナ、まと
もな味がしたもんナ、などと寂しいことを思いつつ、そろそろ仕事
に戻ります。

論文で書き倦ねていた箇所に目処が立ち、漸く先に進みそうな気配
です。

ぷちさん、風邪ですか。御大事にどうぞ。これからは蒸し暑くなる
一方でしょうし、冷房は大いに焚かれるでしょうし、そんな中で御
仕事でしょうから、体調管理は怠りなく。

当地は寒暖の差に乏しく、「今年の冬は寒かったでしょ」と気の毒
がって呉れる土地の人には申し訳ないのですが、東京の冬の方が余
程寒く、晴天の増えたここ最近も、さほど暑くはなりません。帰朝
の際にはへたりそうで心配です。

心なしか紫外線が強いように感じられます。六月の北海道を彷徨っ
た時にも、似たような感触を覚えました。緯度の加減で、太陽が上
ではなく、横にあるせいかも知れません。

剣橋は唯今紛紅駭緑、涼陰豊かな時節を迎えています。二十一時を
回っても残照で外が明るいのには閉口ですが、夏祭りの夕方を思わ
せる風情には心躍るものを覚えもします。十年前、タクラマカン沙
漠の縁に游んだ日々を思い出すのは、暮れ残るこの明かりと、薄闇
に漂う華やいだ空気のせいなのでしょうか。

拙頁の写真を御覧戴く皆様に、多少なりとも涼意が伝われば、これ
すぐる悦びはないのですが……。

元夏迪さま： それはですね、実は風邪をひいてしまったからです。
まじでひどい風邪でしたが、バイトをサボるわけにはいかないので
大変困ってしまいました。声を出す商売ですからねえ。
治りかけですが、そんなわけで今日の西古研の大会（at 新潟）も
キャンセルしました。アホシ○チの報告はともかく
シスターズ妹女史の報告を拝聴できないのは残念です。
そんなわけで本日起きたら書きます。お許しを。

愚妻さま： それはですね、風邪をひいたので卵酒を飲んで早めに寝たら
早めに起きてしまっただけのことです。きちんとそれから寝ました。
今日ですか？今日は・・・え〜、ま〜、いろいろあって起きてます。
今から寝ます。おやすみなさいませ。

千番目、おめでとうございました。
今後とも宜しくお引立ての程を御願い申し上げます。

千一番目、おめでとうございました。
メイルを戴いておりませんが。

九九九番目、おめでとうございました。

何で朝四時にこんなところで油を売っているんですか。

1001番踏みました。

ホームのカウンタが 999 でした．
最近写真のページをみるのをさぼっているのに申し訳ないですね．

針鼠さん、蕪村の句、いいですなあ。渇筆疎散、気韻生動といった
趣で。「貧しき町」が耳朶に豊かに響きます。

繁栄を謳歌する世相に麻痺したせいでしょうか。それとも異境に暮
らす身の上故か。元々そうした風情を好む質だというのが穏当でしょ
うかね。

京成電鉄沿線日記、商店街通過の条も引き立ちます。「九九九」と
はまたうまいことを。

変な話、電車に乗らないせいで「読書」の時間がなくなりました。
ギリシア語だの、研究書だのを繙くのは、仕事のようなものですか
らさておくとして、趣味や興味の赴くままに本を手に取ることのな
い昨今です。永年の習慣とは恐ろしいものです。今だに荷風を繙く
機会に恵まれず、日を暮らしている始末です。


閲覧総数九九九、掲示板九九九になる方、同じく千番をお取りにな
る方はどなたでしょうね。そろそろ気になっています。宜しければ
ここに御報せ下さい。

夕霞堂先生復調おめでとう。「月天心貧しき町を通りけり」蕪村でありんす。昨日は総武線沿線よりももっと楽しい京成電鉄で帰宅しました。神田小川町から都営新宿線、終点本八幡で下車。ここから京成八幡駅まで、バス通りの一本奥にある商店街を使う。街灯だけが明るく、店先はみな暗い。けれど人はいるような、うねった通り。八幡駅前には、スーパーが４層重なっただけのような京成百貨店がある。家屋と家屋の間、ほとんど真っ暗な線路を電車は走って行く。そのうちいきなり遠方にデパートのきらめくネオンがあらわれ、電車は闇夜を抜けて船橋駅に急カーブで突っ込んで行く。まるで９９９のようだったよ。

愚弟の末弟さん、ようこそ。学業に御励み下さい（笑）。

写真を見せて貰うのを楽しみにしています。何気ない光景を切り取
るのも面白いですよ。それでどれだけのものが伝わるかが醍醐味で
もあります。……といいながら、ここに載せた自分の写真には全く
納得をしていないんですけどね。シラーッとした雰囲気が伝わって
きて。結局視線が白けがちなのではないかな、と。どうですか？


御忙しいぷちさん、書き込み有難うございます。そのうちS.P.Q.R.
の解説を御願いします。何でもローマ市のマンホールの蓋にこれが
鋳込まれているとか聞いたことがあります（そういえば、ぷちさん
は洋楽をお聴きではありませんでっけ）。


謨磐堂さん、不佞は実は「ブルートレイン」に入ったことがあるの
ですよ。何故かソ連史の先生に連れて行って戴きました。本郷薬師
側の安い酒屋に行ったら満員で、そこの女将に「うちはもう一軒店
をやっているから、そこに案内する」と連れ込まれた先がコレ。落
ち着かないし、結構高いしで、件の先生は大分辛い思いをなさった
ように記憶しています。

上網の暁には、是非拙頁と鏈接させて下さいね。その為にも頑張っ
て製作して下さい（笑）。


針鼠さん、ずばり「月天心……」とは何でしょう。

占い師は驚きましたね。掲示板を御覧の方で「ここの駅ビルにもい
た」という方、御一報を御寄せ下さい。でも、総武線沿線って、不
佞のように大川の西で完結してきた人間にとっては、何かこう、と
らえどころがないというか、何でもありそうだ、というか、駅ビル
には当然占い師がいるだろうとか、そんな偏見がありますね。針鼠
には更なる沿線情報を期待しています。


明智さん、御見舞有難うございます。訓読の御願いをしておきなが
ら、御無沙汰で恐れ入ります。実は試案を御報せ戴いた高書も消滅
してしまいました。御暇な折に再度御送り願えませんでしょうか。
このような場所で御願いするのも申し訳ないのですが。

最近は一向に漢籍を繙く時間がありません。明智さんは何かお読み
になりましたでしょうか。箚記等も大歓迎ですよ（どこまで理解で
きるかは心許ないのですが……）。今後とも書き込みをお待ちして
おります。


布団をはいで寝てしまい、体を冷やしたせいか、少々風邪の気味が
出ています。先日初めて船遊びをした折の事は、写真の掲載の時に

本日三十日、剣橋は終日快晴でした。午前中、色々御世話になった
客員研究員のたやまみたいさんが御帰国の途に就かれ、身辺がまた
随分と寂しくなりました。たやまさんには「グランチェスターから
見た虹霓（平成十三年四月六日）」の掲載も御許し戴いています。


Procul harumです（しぶとい）。手許の英和辞典にも立項されていま
す。有名なんですね。そこには「グループ名はラテン語でbeyond
these thingsという意味」と書いてあります。成程、と行きたいとこ
ろではありますが、腑に落ちません。

一、proculは後ろにharumという形を取れない字です。英訳のような
　　意味にするならprocul hisに作らねばなりません。
二、中世ラテン語でもprocul hisに作らねばなりません。
三、harumは女性形の複数属格ですので、単にthingsではなく、もう
　　すこし具体的なものを念頭に置いている筈です。或いは「この
　　女性達を越えて」の積もりで命名したものかも知れません。

そうしますと、命名の際に当事者が誤解をしたか、その誤解に謂わ
れがあったのか、それとも解説者（この場合は某社の字引）が勘違
いをしたのか、という可能性が浮かんできます。

ここで俄に結論を出すことは出来ませんが、調べてみれば面白い話
が出てくるかも知れません。宿題にしておきたいと思います。


烏有亭主人さん、

scripsisti> G線上のアリアですね、元になってるのは。

の御指摘に、愚妻さんが感嘆しておりました。不佞には判るような、
判らぬような……（苦笑）。

不佞はマッキントッシュを使っているのですが、野次馬根性でWin
MXを覗いてみました。あれ、スエーデン語ではありませんか。な
かなか読み下りかねたのですが……。しかしこんなところにOSの壁
があるんですね。驚きです。


汀さん、レポート御疲れ様でした。その「クリームティー」で残り
少ない在英生活をお楽しみでしょうね。天気もいいし。

剣橋の人々の喫茶風俗はよく判りませんね。周囲には外国人も多く、
土地の人と喫茶する機会がないもので……。不佞（ども）は、下手
をすると緑茶にスニッカーズなどという篦棒な組み合わせで一服す
ることもあり、論外です（苦笑）。

ごめんなさい。
当方、多忙につき、しばらくメール出せません。

今度の木曜日に出します（まりちゃんぜみ休みなので）。


ほんとおにいそがしいのおお。

にはかに上野御大の愛機を襲つた霹靂を、けふ知りまして、聊か吃驚してしまひました。
たうとう「初期化」も已むなき事態かと、一筆箋の書き込みを閲して、案じましたが、
先の記事を讀みすすめて、漸く安堵してをります。寔にさいはひの至りであります。
暫く掲示板を見ないあひだにも、いろいろあるものですね。

なにはともあれ軟着陸できてよかったですね．
論文は一部だけしか残らなかったとのことですが，一度書いた内容を書きなおすのは，一から書きなおすよりも楽なはずなので，意気込みも新たにがんばってください．
入力したデータが消えてしまったのは痛いでしょうけど（ちょっと無責任ですか）．

※　書き込みの症状から推測すれば，ファイルアロケーションテーブルの破損だったのかもしれませんね．

……完全復旧ではないにしても、完全クラッシュというわけでもなく、原因がわかってぼつぼつ復元中とのこと、まずは一安心しました。
これで私もまたMacを信じて行けそうです。

とりあえず論文（の一部）だけでも復旧できたとのこと。
それを伺っただけでもほっとしてます。


こういうとき、コンピューターに詳しくないと
空虚な励ましの言葉しか後れないというのは
無力感を感じます。

お騒がせしました。どうやら復旧致しました。

事の起こりは不佞の誤操作でした。防疫を実行中にうっかりアウト
ルックを動かしてしまい、データの一部が破損した結果、送受信の
記録が開かなくなりました。

リソースの損壊のみならばデータは拾えると踏んで、ワードでこれ
を開きました。こうした事態に対処する指南を網頁に見つけ、「別
にワードでなくたって」と思いつつ、指示を鵜呑みにしたところ、
メイルは殆ど読めませんでしたが、何故か書きかけの論文が一日前
の状態で融合していました。

この論文はTeXで組版をするために、テキストファイルで作成して
います。下の書き込みをした段階ではこのファイルのデータ、リソー
ス共に破壊されており、どうやっても修復できませんでしたが、テ
キストファイルという形式が幸いして、他のデータと融合した奇怪
なファイルから切り取り、再利用することが可能となりました。文
字通りの僥倖でした。

ところが巨大なファイルをワードで動かしたこと（二百五メガバイ
ト）、また時々刻々ファイルの内容が変化していた為に（二回目に
開けた時には論文の欠片は見当たらなくなっていました）、計算機
が強制終了してしまいました。恐らくこの時に起動用の情報が破損
し、ディレクトリの管理も不可能になっていたのだと思います。全
く起動しなくなりました。

後は修繕アプリケーションで起動して、何とか内装ハードディスク
をマウントし、外装ディスクに退避させ（このディスクもおかしな
動作を見せました）、新しくシステムをインストールの上、少しず
つ加療を試み、故障発生四日目にして、漸く旧に復した状態です。

掲示板で御見舞や御助言を下さった針鼠さん、ぷちさん、へちをさ
ん、烏有亭主人さん、謨磐堂さんに、心より御礼申し上げます。メ
イルを下さった方、御心配戴いた方々もいらっしゃいました。有難
う存じました。

愚妻さん、御蔭で論文の欠片を発見出来ました。情報の控えをこま
めに作ることに致しまする。

……初期化の危機ですか。私も190cs時代に何度か、そして現在のG3購入後の初期的不良にあたって、初期化をせざるを得ない憂き目に遭いました。やはり一番の対策は、愚妻さんも述べておられるとおり、こまめなバックアップ……というわけで、災難は忘れた頃にやってくるという金言をかみしめ、私も大慌てで山のような未保存ファイルをフロッピーに保存しました。
ともあれ、早期復旧をお祈り申し上げるのみです……。

お察しします。。
HDD が物理的にお亡くなりになりつつあるというのでなければ、
MBR を消してしまったというだけなら、これはなんとかできるのではないでしょうか？
Mac での MBR の書き戻しをどうするのか、ぼくにはわからないのですが。。。

Win 上で、たしかにデータはあるのに読めないという事態に陥ったことは何度かありますが、
あのときは Linux から fdisk で仕切り直して復旧した覚えがあります。

ウィルス対策ソフトが原因なら、MBR を消しただけのようにも思うのですが。。

僕も昔似たようなことがありました（ハードディスクのマスターブートレコードがとんだ）．
復旧をお祈りします

・・・としか言いようがござません。
とにかくうまく復旧できることを祈っております。

とにかく、同情する。同情する。

「バックアップを取るように」と私は常々申しておりました。

急告（？）です。

仕事が煮詰まっているだけではありません。防疫ソフトが誤作動を
起こし、危機的状況にあります。四千件近いメールは消え、執筆中
の論文は破損し、初期化もやむなき事態です。外部記憶装置も狂い
始めました。退避し損なったデータは、手書き出来る分を除いてお
さらばとなりそうです。

まともな（？）書き込みの出来る日はいつになりますことやら。

もとより違法のそしりをまぬかれぬ Napster ではありますが、
最近 Napster Meta Server では違法音楽ファイルのフィルタリングが厳しくなるいっぽうで
非常に使いにくくなっておりますなぁ。

Windoze をお使いなら、ここはやはり WinMXをお使いになるのが賢明かと。。
Napster が自社のメタサーバしか選べないのと違って、WinMX では、世に存在する
オープン系サーバの一覧を取得することができます。。

Linux なら Gnapster か Lopster ですね。。

って、こんなこと書いてていいのか。。

今日は豪儀なことをしたよ。学校を四時前に出て、谷中に降りた。まずは区境の暗渠の始まりにある古本屋で、堀辰雄の新潮文庫を2冊買った。どっちも多分もう出てないけれど、それぞれ100円ですんだ。あそこの文庫はなかなかいいのだ。それからまっすぐ歩いて行った。いままで気づかなかったが、タンポポを見つけた。存じ上げない方にいきなり失礼ですが、烏有亭先生、地図のおかげです。ありがとうございました。路地をぐるぐる歩き、谷中銀座を通って坂を登ると、長命源というとても怪しい薬屋を見つけた。色んな病気にきく薬が売ってあるのだ。恐いから入るのはやめた。日暮里から亀戸までバスに乗り、物足りず、小岩までさらにバス。駅ビルPOPOによると、一階のはずれ、竹のすだれで囲った中に占い屋がいたので驚いた。普通駅ビルにいるかね。それでよく知らないチェーン店に入り、150円のアイスコーヒーを飲んで総武線で帰った。じゃあね！

　いやはやここ数日の関東地方は暑い暑い。剣橋はまさにイギリスの一年でも最も良い季節を迎えているのではないかと想像しますです。
　私は昨日、花粉症ゆえに久しく足を踏み入れることが出来なかった山(丹沢)に久々に登りました。下界の暑さを忘れさせてくれる爽やかな空気の中、ブナの新緑と残雪の富士山の眺めは風流そのものでした。来週末あたり久しぶりに奥多摩に繰り出して、夕霞堂ご夫妻御デートの地である日原から鷹ノ巣山に登ろうか、それともまた丹沢に登ってツツジの洪水を眺めようか、迷っているところであります。

・ちどり続報
　以前「ちどり消える」と題する内容を書き込みましたが、今日の夕方本郷通りを歩いていたら、不動産屋の横の、昼間は下ろされている真新しいシャッターが開いており、何とそこが、路地裏からのアプローチを失った「ちどり」の新しい「正式入り口」でした。どうやら、私の「消える」認識は早とちりの誤報だったようで、大変失礼いたしました。でも、いくら狭苦しい入り口であるにしても、やけにピカピカ過ぎて、あの路地裏アプローチの怪しいドキドキ感がないのは残念なことでした。
　いっぽう、本郷通りの車道を挟んで真向かいにある「マルセイユ靴店」の二階に鎮座していた謎の「ブルートレイン風オブジェ」(知ってました?) がなくなって、ガラス張りの空間に改装されてしまいました。あんなお遊び感覚のオブジェはとても秀逸だったのに……。
　ただ、「ちどり」の二の舞はごめんだという思いから、本郷界隈のイカシた風情を先週何枚かパチパチ撮影し、このマルセイユ靴店の上のオブジェもしっかり撮ったのは、実に幸運なことでした。

このまえのJuventus対 AS Romaの試合を見ておりました。
我らが偉大なる中田サマの素晴らしいミドルシュートが決まったあとに
ローマの観客席が画面に映ったのですが、
その中に掲げられていたでっかい旗に

Ｓ．Ｐ．Ｑ．Ｒ．

とだけデカデカと書かれておりました。
敵地トリノまで行って、ロマニスタたちはいったい何を考えているのやら？